おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

責任 の 仕組み

2020-01-05 | マンション〔責 任〕

 

 

本年も どうぞよろしく お願い申しあげます

 

いろいろと調べごとなどあり ほぼ 事務所内で日常業務をしていたような お正月

でしたが 集いもあり 楽しい時も過ごせたりしました

ということで 5日ともなり 本格的に 始業ということで 今年の初めての ブログ です

 

早々に硬い話が登場で 恐縮ですが 以前の記事に関して質問などありましたので

できるだけ わかりやすく 書き直したほうが好いかどうか 自身も迷っていたところ

なので 記してみようと 思ったのでした


マンションで暮らす方においての 

《マンション管理組合という団体・構成員各自 としての いざという場合の責任》 

というあたりのこと です



とても有名な判例があります

権利能力なき社団の代表者が社団名義でした取引上の債務は、その社団の構成員

全員に総有的に帰属し、社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は

個人的債務ないし責任を負わない。 [最判昭和48・10・9]

 



 

法人化していないマンション管理組合のようなものを 権利能力なき(法人格無き)社団

といい 要するに 仮に強制執行までの場面まで進んでも 管理組合員個人の財産には

影響が及ばない ということを示している判決と解されます


端的に例を挙げて言ってしまうと 管理組合財政がホボ破綻している状況下で 社団の代表たる

理事長が行った給水ポンプ交換工事契約代金支払に使う原資は管理組合会計上のもののみ 

なので

 
ホボ赤字情況で 債務弁済に不安大であろうと 構成員各自(組合員各自)に累が及ぶこと

はない という主旨 と 理解されます(この判例のみに基づく解釈ならば ということですが)

が・・・

法人格がないマンション〔法人化しているマンションは マダマダ少ない〕の責任のあり方

として 上の判例そのままの理解で 通るでしょうか

 

(区分所有者の責任等)  
第二十九条 

管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその


責めに任ずべき割合は、第十四条に定める割合と同一の割合とする。

                                               【省略あり】

 

 

管理者(通常 理事長のこと)は その職務に関して区分所有者〔組合員〕を代理する(26条) ので

その結果は 代理させている本人〔組合員〕に帰属します


法律をつくるとき 役人さんの言として 「区分所有者の団体の性質からみて、団体の財産のみが

責任を負うとすることは相当でなく、各区分所有者が何らかの形で負うとするほかないであろう」

というあたりの説明を述べているようですが・・・

 

学説の概略では

管理者(一般に理事長)がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき 

「区分所有者の団体(3条)は、区分所有者とは別個に第三者に対して権利・義務

を有するものではなく、団体自身が区分所有者に代わって29条の責めを負うと考えるべきでは

ない<3条の団体は、区分所有者に多数決によって一定の義務を負わせるための団体、すなわち、

構成員各自を集会の決議によって拘束するための団体である>。

区分所有者全員が責任を負う。

実務上は、団体の財産が存在するならそれ(管理費・修繕積立金等)で弁済して、不足があるなら

区分所有者が責任を問われる

ことだろう

が、団体の責任の補充ということではない。


管理組合法人の場合は、法人の財産が法律上一次的な弁済者・責任者で区分所有者は補充的な

二次的責任(53条)とされていることと区別される。」 

と 述べられていたりします


 

 

ということで 

上記の判例

{・・・・構成員各自は個人的債務ないし責任を負わない。} 

があるのだから安心できる 

とか 

区分所有者個々は管理組合団体のことで強制執行の場面に遭遇するようなことはあり得ない 

との考えは 間違っていると いえます




一般の団体論に沿った スッキリと共通項の理解で済むことがない場面も登場し 

ナカナカ手強い面がある理由は マンション管理組合というものが 社団は社団でも

いわば単なる社員権というようなレベルではないところの

確固とした所有権をも持つ 一国の城主たる人の集まり である という 特性から

きていると 自身は理解しているのですが・・・(あくまで 個人的な表現による見解です)



 

以前の記事よりは 誤解の無きように 説明文を増やしたつもりですが また 機会を見て さらに 専門的な

ところも加えさせていただこうと思ったりしますが・・・

あまりに 記事内容が硬すぎる との意見もありますが 相談者さんも サマザマ 

ある意味 範囲によっては 自身の知識をもっては 満足していただけないほど 知識満載の方もおられ

200人を超す某マンションでは 受験学習者さんなどもおられたり 専門的知識追究に励む理事さんも

おられたり・・・

詳細な説明を求められることも ときどき あります



新年になったとたん 【責任】 のことなどが テーマで すみません

 

というようなことですが 本年の自己研鑽のスタート です

                                

 

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