昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(516)ヤブ医者とは?

2018-05-21 03:25:57 | なるほどと思う日々
 ヤブ医者とは?
 「藪をつついて蛇を出す」  とんでもない医者のことか?
 それとも野巫「田舎の巫医」(呪術で治療する田舎の医者)のことか?
 古文書によれば
 兵庫県養父市から
 将軍家の主治医になった名医らしい。
 それを騙った不良医者のことだったのだ。
            





三鷹通信(261)三鷹市民大学・大久保喬樹「日本の文学」(1)

2018-05-19 05:46:35 | 三鷹通信
 平成30年度三鷹市民大学総合コース。昨年は哲学だったが、今年は「日本の文化」を選択した。
 メイン講師は東京女子大学名誉教授 大久保喬樹氏。
 昨日はその第1回、教室は30名あまり、ほぼ満席だった。講師は70歳を超えているはずだが、恰幅がよく若々しい。
 一見ラガーマンかという精悍な顔つきだ。
 ご自身がこの道に進まれた経験から語り始める。
 茨城に疎開されていたが、横浜の日吉で少年時代を送られた。中学3年の頃、文学に関心を持ち、新宿で映画を観たりしてヌーベルバーグのフランスに憧れを抱く。
          
 東京大学法学部に入学したが、法律に関心が持てず、父親に反対されながらも、フランスに定住したいというほどの想いから当時新設された教養学部でフランス学科を専攻、フランス人の講師に鍛えられた。
 当時は東大安田講堂炎上など学園紛争のさ中、一時浪人の憂き目をみるが、フランス政府の奨学金で留学するチャンスを掴む。
 ・・・日本人が何故フランスの文学などを勉強するのか?・・・他人からも問われ自身でも考えたが、広い視野から見る比較文学、比較文化の道を選択した。
 フランスでは、3年間日本人とはノータッチ。電話もしなかった。盲腸の手術を受ける事態になったこともあったが・・・。

 当時、フランスでも日本のことが話題になった事件があった。
 *川端康成のノーベル文学賞受賞。
 *三島由紀夫の割腹事件。
 川端もガス自殺事件を起こし、あさま山荘事件などもあって「日本人て一体何者だ」と話題になった。

 在仏中、大久保氏は日本人としての「川端康成」とフランス人のマルセル・プルースト(”失われた時を求めて”の作者として有名だった。)の考え方の相違について比較する博士論文をテーマとして取り上げた。しかしフランス人の担当教授から「そんなテーマでは博士論文は通らない!」と強烈に反対された。
 ・・・フランスは世界文化の中心であり、そこから如何に学んだかという内容でなければならない・・・
 ・・・フランス文化と異文化を対等に比較する事自体ナンセンスだ!・・・ というわけだ。
 しかし、氏は、博士号は取れなくても構わないという覚悟でこの論文を書いた。(その具体的な内容を拝見したいものだ)
 ・・・いずれにせよ、比較文学・比較文化に対する氏の姿勢の一貫性に敬服!・・・

 そして、1年間、10回にわたる講義内容についての概略が示された。
 <外人の見る日本文化>、<日本人自身の自国の文化を見る目>、それらの<歴史的変遷>
 そして最後には、レヴィ・ストロースを取り上げ、西洋文化を採り上げながらも、日本文化も併存させるという<日本文化の特質と意義>について、<脱近代文明>へのヒントが提示されるという。
 大久保喬樹東京女子大名誉教授の「日本文化─文化・芸術・歴史から日本の今を見つめましょう!」に大いに期待したい。

 フジテレビ、プライムニュースを観る。
 フランスの歴史人類学者エマニュエル・トッド氏と政治学者三浦瑠麗氏が出演されていて 
 日本人への提言をされた。
「経済より、人口動態に関心を示す政治を」「女性を大切にするシステムを」
 もっともだと思う。

 


なるほど!と思う日々(515)米朝首脳歴史的会談の舞台裏はカジノつながり

2018-05-16 07:10:40 | なるほどと思う日々
 米朝首脳の歴史的会談は6月12日シンガポールで開催されることが決まった。
 シンガポールは関係各国と等距離外交を志向してきた国として知られる。
 しかし、その舞台裏には世界最大規模のカジノ「ランドマーク、「マリナベイ・サンズ」を運営するユダヤ系米国人のカジノ王、シェルドン・エデルソンの存在があった。
 
 彼は先の米大統領選挙でトランプの政治資金団体に巨額の寄付をしている。
 さらに、イスラエルの米国大使館をテルアビブからエルサレムに移行させた強力な支持者でもある。
 
 北朝鮮もカジノと関係がある。マカオのカジノ王スタンレー・ホーは、北朝鮮のカジノ開設に関わっている。
 米朝首脳会議が成功裏に終了した後、北朝鮮が手っ取り早く外貨を稼ぐためにカジノリゾート開発に色気を示すことは想像に難くない。 

 先進国で唯一カジノのない日本も今国会で「カジノ法案」の成立を期しているが・・・。
         




小説「女の回廊」(31)村田秀三の回想「アパート下宿時代」(9)

2018-05-14 05:20:51 | 小説・マロ世界を歩く
 奥さんの柔らかい胸がわき腹を押して、ボクの心臓は飛び出しそうだった。
 
 この時、後ろから怒涛のような圧力がボクを押した。
 押さば押せ、波の間に間に翻弄される魚のように身を任せた。
 小柄な奥さんのからだがすっぽりと懐の中に入った。
 ボクは四方から押し寄せる力に抗して足を踏ん張った。
 彼女の温かい体温がじわっと沁み込んできた。
 彼女を守らなければ・・・。
 しかしそれはボクにとって一時(いっとき)の優越した快楽だった。

 その時突然、一方向の圧力が解放された。
 たたらを踏んで踏みとどまったところで、「いらっしゃい。さあ、お安くしておきます」
 若い威勢のいい女子店員軍団の甲高い、揃った声に迎えられた。
 
「はい、お待ちしておりました!」
 野太い男の声が追い打ちをかけてきて、その男に奥さんの眼が合い、奥さんが取り込まれた。
 そして、かなり高価な大ぶりの熊手を買わされた。
 それをボクが持たされて初めて、ああ、これがボクの役目だったのかという思いが突然腑に落ちた。
 そして、今の今まで身の置き所の無かった気持ちがようやく平静を取り戻した。          

 ─続く─



三鷹通信(260)マレーネ・デートリッヒの上海特急

2018-05-13 07:03:48 | 三鷹通信
昨夜は三鷹市芸術文化センターで、86年前に公開された世界の名優マレーネ・デートリッヒの「上海特急」を観ました。
 ボクが生まれる前の映画でしたが、迫力をもって迫ってきました。
 男と女のラブストーリーはオーソドックスなものでしたが、当時の中国の時代背景描写が圧倒的でした。
 汽車は、前を横切る牛を脅し、ニワトリなど蹴散らしながら走る!
 <人類文明>に関して、「う~ん。人類は自ら生み出した機械に振り回されている!」とある意味感銘を受けました。
 
 一昨日は2018年度市民大学総合コースの開校式でしたが・・・。
 昨年、哲学コースを選んだ仲間から今年も一緒にと誘われたが、ボクは敢えて「日本の文化」を選択した。
 受付で企画委員をしているIさんと「浮気したのね」「ハイ、ボクは浮気者ですから」と言葉を交わした。
 運営委員を共にしたKさんからは「ちょっと迷ったけど、やっぱり哲学にしたわ」と言われた。メイン講師平原 卓に惹かれたのだという。たしかに若くて魅力的だもんな・・・。
 同じく昨年度の運営委員であり、今年度の企画委員でもあるY氏の総合司会で開校式は始まった。金曜日開催の「育児」「哲学」「文化」3講座受講者およそ90名を前に、三鷹市清原慶子市長からこの大学の歴史と、意義についてご挨拶があった。
「なんと、今回が51回目です。育児の方たちはまだ生まれていないころから始まったのです」たしかに「育児」グループは若い女性が多い。
「文化の方たちは、なんと、2・67倍の難関を通って当選されたのです」と我々グループを見た。
「タダだからと言って、安易に休む方もいるようですが、タダほど高いものはないんです。受講できなかった人たちの分も頑張って1年間通ってください・・・」

 さらにぼくたちはコース毎に別の部屋に移り、企画委員からこれからの段取りについて説明があった。
 参加者個々の挨拶の中でボクは「昨年は哲学を選択しましたが、得られた成果の最たるものは得難い仲間を得たことです」と言った。
 詳細については頂いた昨年度の、<あゆみ>の中に書きましたが以下に紹介します。
 ・・・混迷する現代社会、<核抑止力>で世界平和の均衡は図られているとはいうものの、北朝鮮は<核保有>を振りかざして登場してきました。中東では相変わらず宗教対立、民族抗争が絶えません。
 グローバル経済は、ギャンブル的な大資本がINS,AIと結びつき、国家権力のコントロールの効かない動きをしています。
 今や、解決すべき適切な政治理論、経済理論を人類は持ち合わせていません。
 私は三鷹市民大学の哲学コースに何か得るものがあるのではと受講しましたが、まさにメインの合田先生の「海図のない大洋を漂流してみよう」でした。
 哲学の歴史、何たるかは先生の該博な知識で分かった気もしましたが、正直<学問>の独りよがりではないかという気もしました。
 もちろん、石飛幸三先生の「胃ろうは必要ない」とか池内 了先生の「行き過ぎた現代文明への警鐘」のように現実的に響くものもありました。
 私的な面で申し上げれば、超難病で生まれた孫娘を自然界の使者に見立てて出版した小説「レロレロ姫の警告」を同様に苦難の人生を克服された小松奈美子先生が買って読んで下さり、心温まるご感想をいただいたのは感激でした。
(三鷹図書館、本館、駅前にも置いています)
 また、自主学習日に、哲学を学んだ私の思いを「文明のリーダーは男でいいのか?」というタイトルで講演する場を与えて下さった運営委員の皆さまのご厚意にも感謝する次第です。

 
 
              




なるほど!と思う日々(514)あのマハティールが92歳で復活!

2018-05-11 05:05:31 | なるほどと思う日々
 5月9日、あのマハティールが92歳でマレーシャの首相として復活した。
 2000.11.14日、彼は朝日新聞紙上で語っている。
 「ルックイースト」を提唱した時、一番惹かれたのは「官」と「民」が密接に協力する「日本株式会社」でした。
「終身雇用制度」で企業は社員を生涯面倒を見て、社員は企業に忠誠を尽くす。
 そして企業は製品の利潤を低く抑え、広い市場で大量に売る。
 しかし、今、日本は「ルックウエスト」で自らの流儀を破壊している。
 無用な従業員をあっさり解雇し、終身雇用制を破壊しつつある。従業員は先行きに不安を抱いて財布のひもを締め、消費はしない。
 日本が自信をなくしつつある。
 日本という患者を治療するにはハーブ療法をお勧めする。
 すぐ効き目の表れる西洋の化学薬品のような即効性はないが、有害なものもない。

 今、「グローバリズム」という無慈悲な怪物が歩き出している。
 モラルなき巨大資本が国境を越え、政府を無視し、ただ利益ばかりを追求してアジアの蓄積を一晩で破壊させ、民衆を失職させる。
 アジアの発展途上国がいかに固有の文化、価値を保持しながら、この手ごわい相手と向き合うかが今後の課題です。

 なんとこの言葉は今から18年前、彼が語った言葉です。
 今、彼は92歳ながら、マレーシャの首相として復活し、中国への過度な依存からの脱却を図るという。
 その国家への、国民への飽くなき情熱に敬意!

          





エッセイ(425)女性専用車は逆差別か?

2018-05-07 05:41:10 | エッセイ
 「女性専用車」は逆差別か?
 日本では
 
 女性が必要だと思うなら、あってもいいんじゃない?
  
 最近ではスマホを活用する方法もあるらしい。
 だいたい、男と女は全く同じものだという発想はおかしい。男は女を守るべき! と思うが。

 文豪夏目漱石も言っている。
 「議論はいや。よく男の方は議論だけなさるのね。おもしろそうに。カラの杯(さかずき)でよくあああきもせず献酬ができると思いますわ」
 一般に女性は「だれさんがどうした」というような具体的な話を好み、抽象化された論理を楽しまない。
 心理テストと数学パズル。よろめきドラマとゴジラ。性の体験談とフランスこばなし。
 どちらが女性の趣味にかなうかは明白だし、その理由もあきらかだと阿刀田高も言っている。
 「男は他の男から女を守る」これこそ自然の摂理じゃん!
 ・・・いずれも男の理屈か・・・
        






エッセイ(424)サントリーホール・仲道郁代ピアノリサイタル

2018-05-01 06:15:49 | エッセイ
 昨日は市民大学で同級生となったY氏からのご招待でサントリーホールへ同行させていただいた。
 サントリーホールは何年ぶりだろう。ましてやピアノリサイタルは初めてだ。
 たまたまボクがNHKテレビで仲道郁代のショパンのバラードの演奏に魅せられたとブログにUPしたのをY氏が目に止められたのだ。
 

 開演30分前、サントリーホール前は多数の人でにぎわっていた。 
 
 席は2階の2列目、ど真ん中の席だ。会場は既に満席だ。・・・ピアノコンサートでこれだけの集客力はスゴイ・・・
 「ベートーベンと極めるピアノ道」Road to 2027 仲道郁代ピアノリサイタルと題する第一日目の開幕だ!
 今回は「パッションと理性」と題する第1回目
 なお、使用するピアノは「ニューヨーク・スタインウエイ577958」ご自宅のものを持ち込んだという気合いの入れよう!
 
 ・・・ピアノの音がこれほどの大会場を魅了する音量を持つとは初めての体感だ・・・
 ・・・力強い音色の大海原に泳ぎ出したかのよう・・・
 ・・・すぐ近くに小学2~3年生の少女が、2時間の演奏時間の間、真剣に聞き入っていたのが印象的だった・・・

 NHKテレビ「クレイジーズ」でココ・シャネルの生涯について語られていた。
 
 一時はナチスの幹部と恋をして「売国奴」と謗られても
 
 
 不評のときがあっても、生涯を女を飾る仕事に一生を賭けたシャネルの人生に敬意!