昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(161)第20回読書ミーティング

2016-09-18 02:53:21 | 三鷹通信
 現役編集者の主宰する「第20回読書ミーティング」
 講師推薦のベストセラー2点。
 ①小説 君の名は。
 
 (ボクなどはこの名前から思い出すのは、かつて女風呂から客が消えたというほど人気だった菊田一夫作、NHKラジオドラマ『君の名は』だ。・・・ちなみにパクリでない証拠に(。)を付しているとか)
 作者は新海誠
 
 映画は8月26日公開で現在興行収入65億円、481万人はおそらく今年の興行1位。
 小説の方もすでに15刷り8万部。
 
 夢で入れ替わる都会に住む瀧と田舎に住む三葉。
 しかし、現実に会うことはない。
 1200年周期で地球に近づく彗星が介在するファンタジーアニメであり、君の名を忘れてしまったけれど、時代を超え、場所を越え、たとえそれが死後の世界であっても、あなたのことがわかる
、というせつない恋愛ドラマ。

 なんかよく分からないが、それでも観てみたい、読んでみたい気がするアニメ界気鋭の監督、作家作品だ。

 ②コンビニ人間
 
 作者は村田沙耶香、2009年に野間文芸新人賞、2013年に三島由紀夫賞、そして今年の芥川賞受賞。
 現在35万部。
 
 「普通」とは何か? コンビニを通して現代の実存を鮮やかに問う衝撃作。
 ぼくはこの作品が芥川賞を受賞したとき、ベストセラーになることを確信した。
 小説 キミの名は。と同様、タイトルのネーミングがいい!

 参加者推薦作。
 ①小池真理子「恋」
 
  ボクが推薦。
 「香り立つ官能、美しき異端、乾いた虚無感、比類なき美と官能に彩られた小池文学の最高峰」
 1995年、直木賞受賞策ということで興味本位に読んでみたが、当時ビジネスマンであったボクにはまさに衝撃的な作品であった。
 かの浅間山荘事件の時代背景のもと、軽井沢で繰り広げられるありえない「禁断の恋」物語。
 作者は頭がよくて、ちょっと知的な悪女、小池真理子
 

 ②参加者Aさんの推薦
 「非常識な建築業界『どや建築』という病」

 「格好がいいだろ、新しいだろ、アーティスティックだろう」と過剰に自己主張する「どや顔」した建築。そしてそれを設計する「どや顔」建築家。
 作者は「豊洲問題」でテレビに出まくりの森山高至。
 
 「どや顔」の典型はザハ氏の新国立競技場。
 
 わざとバランスを崩す。異様に巨大。材質がキテレツ。人が使うとは思えない形。
 もはや重力の法則を無視した建築不可能な設計物。
 (ザハ氏はその後3月31日アメリカで心臓発作で死去。 この作品がボツになってショックを受けたのか?)
 他にもあります。

 「TOYAMAキラリ」
 
 富山市の複合施設。図書館、ガラス美術館、富山第一銀行などが入っている。
 設計は隈研吾。立山の氷の岩脈と、富山名産ガラス、アルミ、石をモチーフに、富山をキラキラさせるイメージ。
 
 まさに「ドヤ!」って感じ。

 ③参加者Hさんの推薦二点。
 
 米国の軍事戦略を歴史的に検証。
 
 中国の「世界制覇」100年戦略。

 これからの世界政治を見通す上での必読書ではなかろうか。
 
 

 
 

        




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