昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(296)第27回読書ミーティング(5)

2018-10-05 08:20:40 | 三鷹通信
 最後にボクが推薦した日本経済新聞社編「検証バブル・犯意なき過ち」
 ・・・Amzon内容紹介・・・バブルの検証なくして日本経済の問題点は解明できない。小さな政策ミス・意思決定の誤りの積み重ねがバブルを生み出し、崩壊させた。
 日本に巨大なダメージを与えたプロセスを徹底検証する・・・

 1985年9月に日米欧の五か国の蔵相、中央銀行総裁らが集まり、国際協調による為替調整<プラザ合意>が合意された。
 *趣旨は黒字国である日本の円や西ドイツのマルクを高くしようということだった。(つまり、敗戦国の繁栄をやっかんで、経済に政治を持ち込んだのだ)
  (振り返ってみれば、ここがバブルの発端だった。)
 *この年に日本が世界最大の債権国に、米国は債務国へと転落した。

 いかなる施策が行われたか。
 *2.5%の<超低金利>が2年3か月にも及んだ。
 *国土庁が<首都圏改造計画>を公表。(「お上の言うことに間違いがない!」不動産屋や金融界が喰いついて、土地の買い占めに走る)
 *麻布のそば屋の値段でアメリカのロックフェラーセンターが買えるほどのバブルが発祥。
 *1993年には日本の銀行が抱える不良資産が50兆円を超える。
 *<地価>が政治問題となり、規制がかかり、株価は転落地価も下落に転じた。
 *1997年北海道拓殖銀行、山一証券破綻。

 <夏目漱石の遺言> 「今まで他人本位で、根のない浮草のようにそこいらをでたらめに漂っていたからだめだった」
 近代日本の課題は一世紀近く経っても変わっていない。
 <ボクがいまこの18年前に発刊された本を取り上げた理由もそこにある!>


 バブル崩壊後20年経過した今、世界や日本の政治・経済状況は如何に?
 
 
 
 *<政治>は相変わらずパワーポリテクスのせめぎ合い。
 *<経済>はほとんどのマネー資産は一部の金持ちに集められ。金融システムは賭博化している。
 *世界は<連鎖>しており、些細な個所で綻びが起きれば、リーマンショックのような世界恐慌につながりかねない。

 *日本の金融業界にも、その一端から経済が綻びかねない内情が鬱積している!
  ・・・スルガ銀行に一部業務停止命令へ!・・・
 通常の預金の引き出しなどの窓口業務は継続する見通しだが‥・


 なお、当日持ち込みで元お役人のH氏から二冊推薦されたのは、
 秦郁彦「実証史学への道」
 *当事者へのヒアリングや一次資料を駆使して、満州事変の戦争史などの実態に迫った。
  (南京虐殺30万人などありえない)
 
 井口治夫「誤解された大統領」
 *1929~33年のわずか1期を務めたフーヴァー大統領。
  無能呼ばわりされてきたが・・・。

 さすが霞が関の官僚が選んだ本だと思わせる。(書評で選ぶのだそうだ) 

 来日中のIMFラガルド専務理事が<アベノミクス>の見直しを促した。
 「拡大と、持続させ、加速させる必要がある!と」

 ・・・やっぱし、<根無し草・世界経済>に引きずり込もうとしているのだ・・・ 
     




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