昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(284)日本人とは(4)

2014-07-28 08:32:03 | なるほどと思う日々
 ハマスとの間に一旦停戦がまとまったと言われていたが、イスラエルはロケット弾攻撃が続いていることを理由にガザへの攻撃を再開した。
 

 そもそもこの地域は三大陸の結節点に位置するところから、歴史的に紛争が絶えない。
 
 地政学上、重要であることもあるが、ユダヤとイスラムという宗教的な、あるいは西洋とアラブの民族的対立に妥協点がない。

 世界を歩いた小田実は<何でもみてやろう>の中で言っている。
 
 
 日本と西洋との距離は、日本が高度に西洋化された社会であるという事実を全部ぬきにしても、もともと<西洋>とアラブやインドの世界との距離よりも小さいのではないか。
 逆にいうと、そういう下地があったからこそ、日本は明治以来の短時日のあいだに、かくも急速に西欧化されたのではないか。
 私はビルディングや工場やネオンサインのことについてではなく、われわれの考え方や感じ方について言っているのである。
 それらのものの西洋化には、もともと<西洋>の思想と共通のもの、それとすくなくともおつきあいできる共通の基盤のようなものが存在してはじめて可能であったにちがいないのだ。
 そして共通の基盤というものは、やはり、それは<ヒューマニズム>というものであろう。
 すくなくとも、思想なり、感情なりがオバケのものではなく、人間のものであること──。
 
 
 
 その日本人には<西洋>とはまた異なる特徴があり、それを象徴的に具現しているのが<大相撲>であると、尾崎士郎は指摘している。
 

 私は相撲によって生きている男である。
 若し私の人生に相撲がなかったら、私はむしろ犬になった方がいいと思う。
 これに類似した競技は人間の生息するところには何処にでもあると思われる。
 しかし、これほどまでに力技を魂に還元し、芸術に還元したものがあるだろうか。
 相撲があって日本人が生じたのではない。
 日本人的感情が凝結して相撲が一つのかたちを整えたのである。

  (<相撲>創刊号より)

 昨日白鵬が30回目の優勝を果たした。
 
 彼を含めて今や大相撲の3横綱はすべてモンゴル人である。
 この現状を尾崎氏はどう見るか。
 もっとも、白鵬は今や、日本人より日本人らしい大横綱だが・・・。
 


 ─続く─


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