昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(259)安倍首相の訪米で思うこと

2015-04-30 09:27:23 | エッセイ
 注目されていた安倍首相の米議会における演説。
 
 朝日新聞では「先の大戦に、痛切な反省」安保体制「夏までに成就」
 という大見出しと同時に、・・・侵略「おわび」を使わず・・・という言葉を添えている。
 戦後70年という節目に当たって、わが国は先の大戦に対する自虐的な思いを未だに払しょくできないようだ。 

 70年の間、わが愚行を反省し頭を垂れ続けることで、この<力の論理>の横行する世界の中で、ひたすら米国の傘の下、おんぶにだっこだったかもしれないが、平和を享受してきた。
 しかし、絶対的な<力>を有していた米国もベトナム戦や、イラク戦で消耗し、今や昔日の面影はない。
 さらに経済的、軍事的な<力>を着々と積み重ねる中国の台頭を目の当たりにして、米国はいつまでも日本を庇護し続けることは不可能と判断したようだ。
 日本にもそれ相応の責任を求めて来たのだ。

 今回安倍首相の登場で、集団自衛権を伴う安保法制を整え、日米同盟の強化の姿勢を米議会で表明した。
 今まで必ずしも安倍首相に好意的でなかったオバマ大統領も、「お互いのために」という日本語を使って満足の意を表明した。
 

 さて、問題はこれからの日本の立場である。
 たしかに<力の論理>が働く世界の政治状況は変わっていない。
 しかし、<力>の究極のかたち、つまり無辜の人間をも無差別に殺傷する核兵器や東京大空襲など、バカげた人類の愚行が人類にどういう結果を招くことになるのか・・・。
 それを訴えることのできるのは自らが体験した日本しかない。
 現状世界政治のバカさ加減を訴えることこそ、わが国の今後執るべき姿勢ではなかろうか。
 (ちなみに、わが国を壊滅的に陥れた勝者米国に恨みを持たなかった姿勢も、わが国の稀有の能力の一つだったかもしれない・・・)

 みなさんのご感想を得られれば幸いです。