昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

レロレロ姫の警告(64)週刊誌インタビュー(2)

2013-05-24 10:36:33 | なるほどと思う日々
「他の生きものたちは、動物にしたって植物にしたって、自然と共に自然体で生きているんですよね。でも人間は違うんだなあ・・・」
 わたしはそこで言葉を切ってインタビュアーのお兄さんの顔を窺った。
 オジサンというよりオニイサンなんだな、ちょっとイケメンで。
「人類は自然体じゃないって言うんですか?」
 お兄さんは期待した通り鋭い視線をわたしの目に射し込んできた。

「だって、他の生物は自然のあるがままの恵みをあるがままに頂いてそれで満足しているのに、人間はそれだけじゃ満足できないじゃないですか!」
「ああ、例えばライオンは満腹なら目の前を獲物が通っても無視するとかいう話ですか?」
 わたしの跳ね返した視線をものともしないで、オニイサンは分かりのいい例で返してきた。顔ばかりじゃなくて頭も良さそう。
「自然にあるものだけで満足しなくて、柵をめぐらして獲物を家畜にしたり。農園を作ったり、だいたい人類って欲張りなんですよね?」
 
 
 言いながらちょっと腹が立ってきた。

「たしかに。でもそれが人間の賢いところだから・・・」
 なんて言いながらメモしている。
「賢い? 悪賢いのよ! 農作物にしたって自然肥料を使っているうちはまだ許せたけれど、さらに収穫を上げようと化学肥料を使って水質汚染で自然を汚している。そこが問題なのよ!」
「でも最近はその辺にも配慮して、化学汚染は少なくとも日本では解消しつつありますよ」 顔をあげて平然としているその態度が憎たらしい。

「あなたビキニ環礁の水爆実験で日本の漁船の船長が被爆した事件のこと知っている?」
 
 そのしれっとした彼の顔を雑巾で拭くように言ってやった。
「ビキニ環礁?」
 やっぱりだ知らないんだ。
「もう五十年前だからあなたは生まれてないから知らないんだ。でも学校で習わなかったの?」
「習ったかもしれないけど覚えてないなあ・・・」
「広島や長崎の原爆は知ってるでしょう?」
「もちろんそれは知っていますよ。人類で初めて日本人がその被害を受けたんですから」
「だったら当然この事件も深刻なものとして覚えていなきゃ・・・」

「核エネルギーの問題ですね? 今度の福島の原発事故による核廃棄物問題に繋がるわけだ。原爆や水爆は当然廃棄しなきゃいけない汚物ですけど。そこから生み出された原発は人類のエネルギー問題を解決する一つの手段として開発されたものだから・・・」
「そうやって人類は悪魔のエネルギーと言われている核エネルギーにまで手をつけている!」
 エネルギー問題解決の1つの手段だなんて平然と口走っているオニイサンの頭の中の構造はどうなっているのだ!

 ─続く─

 一昨日からパソコンの状態が安定しない。
 
 三日間連続でメーカーのコンタクトセンターと長電話のやりとりをしている。