25 or 6 to 4

東南アジア、台湾などへの海外旅行記などを中心に投稿しています。

山寨(さんさい)機

2010-11-06 14:24:05 | iPhone

携帯電話ユーザー数(※1)が約8億人の中国は、世界で最大の携帯電話市場となっています。
販売されている携帯電話も欧米や韓国、そして日本などの海外メーカーに加え、中国国内メーカーも大手から中小まであわせると数十社以上が競争を繰り広げている現状です。
フルタッチ画面を採用したスマートフォン(高機能携帯電話)からファッショナブルな携帯電話まで、中国の携帯電話も今では世界の流行を取り入れた最新機種が多数発売されています。
だがこれらのメーカーに加え、中国では「モグリ」とも呼べる闇メーカーが多数存在している現実もあります。それらが製造した携帯電話は中国政府の技術審査試験を通さずに闇市場で販売されており、盗賊や反政府勢力が籠った砦を意味する「山寨(さんさい)」になぞらえて「山寨機」(中国語ではシャンジャイジ)と呼ばれています。
私は中国への渡航経験はありませんが、山寨機と思われる製品をミャンマーで見かけたことがあります。「iPhone」やノキアの模造品は当たり前で、自動車のフェラーリや鉄腕アトムの頭部をケースにした製品が国境付近で売られてました。
中国では3社(※2)が携帯電話事業を行っているが、いずれもがSIMカードを採用しており販売されている携帯電話にはSIMロックがかけられていません。そのため中国の消費者は同じ通信方式の携帯端末であれば自由にSIMカードを入れ替えて機種変更が可能となっています。端末メーカーも通信会社を通さずに自らが販売促進活動を行ってます。
そのため、山寨機メーカーも手っ取り早く売上げを伸ばすために、安易にコピー製品に走るところも多くあるようです。
だが最近では本物と見分けのつかない商品が出てきているほか、独自製品が発売されると同時くらいに登場するなどその開発スピードも年々早くなってきているそうです。
一発勝負としか思えない製品や模造品だけを見れば、中国の山寨機など大した存在には見えないかもしれない。だが、生き残りをかけて製品開発競争を続けていく中から、大手メーカーにとっても無視できない製品が少しずつ生まれているのも事実です。

※1 「国際電気通信連合」(ITU)は、世界の携帯電話加入数が2010年には50億件に達する見通しを明らかにした。
※2 中国移動通信(China Mobile)はGSMとTD-SCDMA(3G)、中国聯合通信(China Unicom)はGSMとW-CDMA、中国電信(China Telecom)は固定電話サービス、CDMAとCDMA2000。