25 or 6 to 4

東南アジア、台湾などへの海外旅行記などを中心に投稿しています。

ニューヨーク市民は...

2021-10-06 19:03:38 | MLB
 MLBはレギュラーシーズンが終わり、ポストシーズン(プレーオフ)が開幕しました。

  

 初戦はア・リーグのワイルドカードゲーム「ニューヨーク・ヤンキースvsボストン・レッドソックス」。レッドソックスのファンは興奮が沸騰状態だと思います。そのことが、村上春樹さんの紀行文「野球と鯨とドーナッツ ボストン2」には、

 「あまり美しくない話で恐縮なのだが、ボストン・レッドソックスの本拠地、フェンウェイ球場の近くにあるスポーツ・バーで生ビール(もちらんサミュエル・アダムズ)を飲み、トイレに入った。すると小便器の中に、ニューヨーク・ヤンキースのマークのついたプラスチック製消臭剤が置いてあった。『ここに小便をかけてください』というわけだ(いちおうかけましたが)。そういう土地柄なのだ。わざわざそういう消臭剤が作られ、堂々と市販されているのだ。考えれば考えるほどすごいなあ。そんなわけで、人はその一帯を『レッドソックス・ネーション』と呼ぶ。通りを歩いている人々のほとんどはレッドソックスのキャップをかぶっている。まるで信仰告白のように、夜になれば、あらゆる市内のバーでは、レッドソックスの試合中継が放映され、人々は大声を上げて一喜一憂している。
 それではニューヨークで、人々はレッドソックスのマークに小便をかけているだろうか?それはまずない、と思う。彼らはボストン市民がヤンキースを目の敵にするほどには、レッドソックスを特別視してはいない。そこにはかなりの心理的較差がある。ニューヨーカーにとって、ボストンはニューヨーク以外の『その他大勢』の街のひとつに過ぎない。しかし、ボストン市民にとってニューヨーク・ヤンキースは……。そのあたりは阪神タイガースと読売ジャイアンツの関係に、かなり似ているかもしれない。」

 と書かれていました。