タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

妊娠中の花粉症の薬

2015-03-24 21:03:27 | 産科
3人に1人は花粉症の時代ですから、妊娠中でも花粉症が出るのは当たり前ですね。
しかも妊娠中はとくに、鼻づまりが強く出ると言いますからなおさらです。
先日、ベトナム人の妊娠中のカップルが、日本では花粉症の症状が出るけれど、
国に帰れば治ると言っておられました。
私のむかしの英語の先生はインド人女性でしたが、この方も京都に来るとたいへんでしたよ。

妊娠中の注意としては、薬を使うなら妊娠第5ヶ月から、というのが一般的です。
これは妊娠の第4ヶ月までなら、胎児の器官形成期と言って、
胎児の奇形と関係するからです。
妊娠第5ヶ月以降なら、もう奇形になる心配は有りませんが、
発育への影響は出る可能性が残ります。
みなさんもこれだけは覚えておいてくださいね。
ただし妊娠初期に薬を飲んでしまったので心配だ、と思われる方が居られますが、
飲んでしまったものは仕方有りません。以後、飲まないようにすればいいのです。

次に、花粉症の時でも、薬は絶対にダメか?と言えば、安全性を考慮すれば使用も可能です。
耳鼻科でも、タマル産でも、妊娠中の第1選択薬は漢方薬でしょうか。
まず小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が処方されるのではないでしょうか。

さらに西洋薬ということであれば、きっと皆さんはこちらが知りたいのでしょうから、
上にまとめの表を示しました。
あすか製薬という製薬会社の資料です。

一番左の列と一番右の列が、薬の名前です。
左端は一般名であって、固有名詞なのですが、
右端は薬屋さんで売られている時の名前です。
アレグラがよく宣伝されていますね。自分でも薬屋さんで買えますからね。
アレグラの一般名はフェキソフェナジン塩酸塩という長い名前ですが、
こちらは病院に行った時に処方される名前で、薬屋さんい行けば、
その薬が、メーカーごとにいろんな名前で売られているという仕組みです。

妊娠中に飲めば、胎児への心配となりますが、
産後の授乳期に飲めば、乳児への心配となります。
胎便を通過するか、乳汁中に移行するかで、分けて影響を考える必要が有ります。

いろんな機関が調査していて、
FDA分類とか、オーストラリア分類とか、Meditation and Mother's milk、
それに妊娠と薬情報センターなどです。

FDAはABCDXの5段階でAが一番安全という意味。
オーストラリア分類はBがさらに3つに分かれ、7段階評価。
M&MはL1が最も安全、L2が比較的安全、L3がおそらく安全、
L4が悪影響を与える可能性あり、L5が危険の5段階です。

妊娠中も授乳中もどちらにも使えて一番安全そうなのは、「ロラタジン」でしょうか。
ということで、今年からタマル産でも、ロラタジンを在庫しています。
メーカーによって、名前は変わるのですが、
タマル産に有るのは、小さなオブラート状の薬なんですよ。
水なしでも舐めるようにして、飲み込むことができるのが、変わった剤型ですね。

ちなみに、私も数年前から花粉症が急に出始めましたが、
「酵素液」を飲み始めてから、すっかり治ってしまいました。
まだ家族内での実験中ですので、みなさんには強制しませんよ。
でも妊娠中でも害はないので、試してみてもいいでしょうね。