タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

女子アスリートと無月経

2015-03-17 21:57:16 | 婦人科
丹波市柏原町の星咲(せいら)くん、2月10日生まれ。
「大きな病気をせずに、元気に笑顔いっぱい育ってください。
2回目ということもあって、少し余裕を持ってお産ができました。
皆さんとても良い方ばかりでした。」

足のマッサージをまた受けたい、ともアンケートに書いてありました。
ええ、予約で退院後もできるのですよ。
火曜日と金曜日に、外来の方も予約でリフレクソロジーを受けることができます。
先日も、足がむくみやすいので、ということで
妊娠と関係なく施術を受けられた方がおられます。
施術は、入院中と同じ、タマル産のリフレクソロジストがしています。
費用は60分で5千円と標準的でしょう?

さて、先日の篠山マラソンには参加された方は居られますか?
雨でたいへんでしたか?
私も大学の時に一度だけ出たことが有るのですよね。
小学校、中学校、高校と陸上で短距離をしていたのです。
高校2年の時に中距離に変わった途端に足を痛めて、競技生活は終わったのですが。

東京でオリンピックも開催されるということで、
産婦人科では女性アスリートも診れるようにしないといけない、とおふれが回っています。
少し紹介してみますね。

陸上の長距離選手などは、どうみても「無月経」だろうと推察できます。
この原因はもちろん減量です。

減量の定義は「摂食障害の有無によらないエネルギー不足」です。
難しいですか。減量といえば水以外、何も食べないような印象ですが、
たとえ食べていても痩せる場合も当然、エネルギー不足なのですね。

そしてこの状態が続けば、「骨粗鬆症」になって、疲労骨折の原因になるのですよ。
そこでこの3つを合わせて、「女性アスリートの3主徴」と呼びます。

無月経の多い競技は何だと思われますか?
体操、新体操、フィギュアスケートなどの審美系の競技と、
陸上長距離やトライアスロンのような持久系の競技です。
タマル産にもよく、高校生が無月経で来院されますよ。
篠山はゴルフの留学生も居るようで、無月経で来られたことも有りますね。
トップアスリートの約40%が、月経不順のようです。

治療は、体重を減量する前まで戻すというのが基本です。
よく、アスリートでない普通の女子中高生は、摂食障害で来院されますが、
こちらはなかなか体重を戻すというのに抵抗が有るのですよ。
アスリートでも、体重を戻すのに抵抗が有るかもしれませんね。

次に考えるのは、薬物療法ですね。
普通の女子にはエストラジオール(卵胞ホルモン)の飲み薬を処方するのですが、
アスリートには吐き気や体重増加のために、あまり好都合ではないので、
塗り薬の卵胞ホルモンを使用することが多いのです。
ただし保険が利かないというデメリットは有ります。
周期的にプロゲステロン(黄体ホルモン)を内服して月経を起こすのですが、
こちらもだるく、眠たくなるので、試合の前はいけませんね。
排卵誘発剤はドーピングになるので、使用できませんしね。

若い中高生の女子のお母さんは、
子供さんの体重を知っていますか?
月経が規則正しいことも?
大人の早期発見が必要なのですよ。

今日は途中で、赤ちゃんが生まれたので、更新が遅くなっていましました。