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竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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拾遺和歌集 巻17 歌番号1112から1116まで

2025年05月19日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻17

歌番号 1112

詞書 右大将定国家の屏風に

詠人 みつね

原文 須美乃衛乃 万川遠安幾可世 布久可良尓 己恵宇知曽不留 於幾川之良奈美

和歌 すみのえの まつをあきかせ ふくからに こゑうちそふる おきつしらなみ

読下 住の江の松を秋風ふくからに声うちそふるおきつしら浪

解釈 住之江の松を秋風が吹くにつれて、その秋風の音に打ち寄せ添える沖からの白波よ。

 

歌番号 1113

詞書 題しらす

詠人 人まろ

原文 安幾可世乃 佐武久布久奈留 和可也止乃 安左知可毛止尓 比久良之毛奈久

和歌 あきかせの さむくふくなる わかやとの あさちかもとに ひくらしもなく

読下 秋風のさむくふくなるわかやとのあさちかもとにひくらしもなく

解釈 音を立て秋風が寒く吹く中で、私の屋敷の浅茅の側でヒグラシも啼いている。

 

歌番号 1114

詞書 題しらす

詠人 人まろ

原文 安幾可世之 比々止尓不計者 王加也止能 遠可乃己乃者々 恵呂川幾尓个利

和歌 あきかせし ひことにふけは わかやとの をかのこのはは いろつきにけり

読下 あき風し日ことにふけはわかやとのをかのこのはは色つきにけり

解釈 秋風が日ごとに吹けば、私の屋敷から見える丘の木の葉は色付いて来た。

 

歌番号 1115

詞書 題しらす

詠人 人まろ

原文 安幾々里乃 堂奈比久遠乃々 者幾乃者奈 以満也知留良无 以万多安可奈久尓

和歌 あききりの たなひくをのの はきのはな いまやちるらむ いまたあかなくに

読下 秋きりのたなひくをのの萩の花今やちるらんいまたあかなくに

解釈 秋霧の棚引く小野の萩の花、今にも散るようだ、まだ、赤く紅葉もしていないのに。

 

歌番号 1116

詞書 ちかとなりなる所に方たかへにわたりて、やとれりとききてあるほとに、事にふれて見きくに、歌よむへき人なりとききて、これかうたよまんさまいかてよく見むとおもへとも、いとも心にしあらねは、ふかくもおもはす、すすみてもいはぬほとに、かれも又こころ見むと思ひけれは、はきのはのもみちたるにつけて、うたをなむおこせたる

詠人 女

原文 安幾者幾乃 志多波尓川个天 女尓知可久 与曽奈留比止乃 己々呂遠曽美留

和歌 あきはきの したはにつけて めにちかく よそなるひとの こころをそみる

読下 秋はきのしたはにつけてめにちかくよそなる人の心をそみる

解釈 秋萩の色付く下葉の様に関わって、気にしながらも素知らぬふりをする近所に住んでいる人の心の内を覗い知りました。

 

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