竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻5 歌番号252から256まで

2023年08月08日 | 後撰和歌集 現代語訳
歌番号二五二
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 奈利比良乃安曾无
読下 業平朝臣(在原業平)

原文 由久保多留久毛乃宇部万天以奴部久者安幾可世布久止可利尓徒遣己世
和歌 ゆくほたる くものうへまて いぬへくは あきかせふくと かりにつけこせ
読下 ゆく蛍雲のうへまていぬへくは秋風ふくと雁につけこせ
解釈 飛んで行く蛍よ、雲の上まで帰って行くのなら、ここではもう秋風が吹くと、雁に伝え、ここに寄こして下さい。

歌番号二五三
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 与三比止之良寸
読下 よみ人しらす

原文 安幾可世乃久左者曽与幾天布久奈部尓保乃可尓志川留比久良之乃己恵
和歌 あきかせの くさはそよきて ふくなへに ほのかにしつる ひくらしのこゑ
読下 秋風の草葉そよきてふくなへにほのかにしつるひくらしのこゑ
解釈 秋風が草や木の葉をそよいで吹くのと同時に、かすかに鳴いている蜩の声よ。

歌番号二五四
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 飛久良之乃己恵幾久也麻乃知可个礼也奈幾川留奈部尓以利比左寸良无
和歌 ひくらしの こゑきくやまの ちかけれや なきつるなへに いりひさすらむ
読下 ひくらしの声聞く山の近けれや鳴きつるなへにいり日さすらん
解釈 蜩の鳴き声を聞く山が近いと、ヒグラシが鳴くと同時に日暮しの入日が射しています。

歌番号二五五
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 比具良志能己恵幾具可良尓末川无之乃奈尓乃美比等遠々毛布己呂可奈
和歌 ひくらしの こゑきくからに まつむしの なにのみひとを おもふころかな
読下 ひくらしの声聞くからに松虫の名にのみ人を思ふころかな
解釈 蜩の鳴き声を聞いたばかりに、松虫の名を想い、その名の響き、便りを待つだけの貴女のことを想うこのころです。

歌番号二五六
原文 堂以之良春
読下 題知らす

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 己々呂安利天奈幾毛志川留可飛久良之乃以川礼毛々乃々安幾天宇个礼八
和歌 こころありて なきもしつるか ひくらしの いつれもものの あきてうけれは
読下 心有りて鳴きもしつるかひくらしのいづれももののあきてうけれは
解釈 思うところがあって泣いているのでしょうか、蜩のどれもが、世のものごとに飽きて辛いと思っているならば。

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