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竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌4488から集歌4492まで

2023年05月17日 | 新訓 万葉集
十二月十八日、於大監物三形王之宅宴謌三首
標訓 十二月十八日に、大監物三形王の宅にて宴(うたげ)せし謌三首
集歌4488 三雪布流 布由波祁布能未 鴬乃 奈加牟春敝波 安須尓之安流良之
訓読 み雪降る冬は今日のみ鴬の鳴かむ春へは明日にしあるらし
私訳 美しい雪が降る冬は今日だけです、鶯の鳴くでしょう春は、明日であるようです。
右一首、主人三形王
注訓 右の一首は、主人(あるじ)三形王

集歌4489 宇知奈婢久 波流乎知可美加 奴婆玉乃 己与比能都久欲 可須美多流良牟
訓読 うち靡く春を近みかぬばたまの今夜(こよひ)の月夜(つくよ)霞みたるらむ
私訳 風に木葉が靡く春を近く感じ、漆黒の今夜の月夜には霞立つでしょう。
右一首、大蔵大輔甘南備伊香真人
注訓 右の一首は、大蔵大輔甘南備伊香真人

集歌4490 安良多末能 等之由伎我敝理 波流多々婆 末豆和我夜度尓 宇具比須波奈家
訓読 あらたまの年行き返り春立たばまづ吾が宿に鴬は鳴け
私訳 年の気の改まる、年が逝き去り、よみ返る、その春になったなら、最初に私の屋敷に鶯よ啼け。
右一首、右中辨大伴宿祢家持
注訓 右の一首は、右中辨大伴宿祢家持

集歌4491 於保吉宇美能 美奈曽己布可久 於毛比都々 毛婢伎奈良之思 須我波良能佐刀
訓読 大き海(うみ)の水底(みなそこ)深く思ひつつ裳引き馴(なら)しし菅原の里
私訳 大海の水底のように深く恋い慕いながら、裳裾を引き門に出て地を均した、その言葉のような、貴方が訪れに馴れた菅原の里。
右一首、藤原宿奈麿朝臣之妻石川女郎、薄愛離別悲恨作歌也 年月未詳
注訓 右の一首は、藤原宿奈麿朝臣の妻(め)石川女郎の、愛(うつくしび)薄(うす)らぎ離別せらえしを悲しび恨みて作れる歌。 年月は未だ詳(つばび)らかならず。

廿三日、於治部少輔大原今城真人之宅宴謌一首
標訓 廿三日に、治部少輔大原今城真人の宅(いへ)にして宴(うたげ)せし謌一首
集歌4492 都奇餘米婆 伊麻太冬奈里 之可須我尓 霞多奈婢久 波流多知奴等可
訓読 月(つく)数(よ)めばいまだ冬なりしかすがに霞たなびく春立ちぬとか
私訳 暦からすると、いまだに冬ですが、しかし、もう霞が棚引く春になったと云うのでしょうか。
右一首、右中辨大伴宿祢家持作
注訓 右の一首は、右中辨大伴宿祢家持の作れり

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