マーク・マイロッド監督「ザ・メニュー」を見る。
なんともキテレツでお馬鹿な設定。
どんどんクレイジーな展開に突き進み、
あんぐりと口が開きっぱなしだったという。

セレブ中のセレブしか行くことができない
孤島にある超高級レストランが舞台。
いわゆる密室恐怖ものというか、
高貴なものをまとったブラックな狂気というか。
ブニュエル「皆殺しの天使」を
彷彿とさせるといったら褒めすぎだろうか。
レイフ・ファインズのイカれたカリスマなシェフが絶品。
出す料理の邪悪さに見合うキャラクターというか。
この男が出すメニューがひねりすぎ、かつ、あまりに芸術的で、
どれひとつ旨そうなものはなく、そこが恐怖をあおる。
アニャ・テイラー=ジョイ演じるマーゴは、
セレブな客たちのなかで、唯一、庶民というか
育ちの良くない出自がほのめかされる。
そんな彼女が、なぜかシェフと相通じていくところ。
そこが本作のいちばんの見どころで
作り手たちが伝えたいテーマにも通じているようだ。
「ラストナイト・イン・ソーホー」に続き、今作も好演のアニャ嬢。
次回作は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」で
シャーリーズ・セロンが演じた大隊長の若き日を演じるらしい。
エマ・ストーンとかスカヨハみたいに、
あれよという間にトップ女優になりそうな予感があるので、
今のうちに、サブカル系、アート系、
おバカ系、社会派系、ラブコメ系など、
いろんな映画に出まくってくださいな。