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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

人でなしは映画を見ない

2022年10月11日 | 日々、徒然に
ゴダールの記憶 Ⅲ

ゴダールが亡くなったのは
2022年9月13日のこと。
朝日新聞の訃報記事を読む。



山田宏一と蓮実重彦の本を読み直そうと思い、
「トリュフォーそして映画」(話の特集)を開いたら、
トリュフォーの訃報記事が出てきた。切り抜いていたんだな。
1984年1月の朝日新聞だと思う。38年前の記憶。



ゴダールとトリュフォーは、
やっぱり2人で一組として考えていたところがある。
盟友でありライバル。どちらが上で下ということもない。
藤子・F・不二雄と藤子不二雄Aというか。
ジョン・レノンとポール・マッカートニーというか。

訃報記事を読み比べると、
38年のタイムラグがあるにもかかわらず、
二人とも「ヌーベルバーグ」の人で、
映画に「革命」をもたらした「旗手」というイメージ。
そこに間違いはないと思うけれど、これからも
ずっとそうやって語られるんだろうか。

育ちが悪くて不良だったトリュフォーは
優しくて優柔不断な恋愛映画ばかりを撮り、
お坊ちゃんでインテリだったゴダールは、
難解で政治的な映画に走った。
作風はまったく異なっていたとはいえ、
出演する女優に惚れまくりながら、
映画への強い愛情がほとばしっていた。
見返せば見返すほど、そう思う。

トリュフォーが亡くなったとき、
友人Fが電話をかけてきたことを思い出した。
自分がトリュフォー好きだということを知っていたのだろう。
人でなし(褒め言葉)のFにしては
なかなかいいリアクションだったと思う。

ゴダールが亡くなったとき、
友人Tがメールを寄こしてきた。
「Fはどう思ってるんだろうな」という文面が。
そういえばFにはずいぶん会っていない。
38年の時を経て、あんな人でなし(褒め言葉)の
ことを思い出すなんて。それもゴダール(とトリュフォー)の記憶のひとつ。

ゴダールの記憶 Ⅲ おわり
Ⅳに続きます。たぶん。

コメント (2)
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ずっとうずくまっていたい

2022年10月10日 | 日々、徒然に
ユーミンがデビュー50周年ということで、
民放ラジオ99局でおこなわれている
キャンペーンが盛り上がっているようで。

いや、もちろんユーミンは好きだけれど、
ファンと言えるほどではないので、
知ったかぶりをするつもりはまったくない。

でも、BRUTUSで特集されていると、
つい買ってしまうのは、やっぱりユーミンには
長年お世話になっていたのだろう、と。


全国のパーソナリティの
「ラジオで届けたいユーミンのうた」を
眺めているだけで飽きない。
阿佐ヶ谷姉妹とタブレット純が
登場しているのもポイント高し。

阿佐ヶ谷姉妹が挙げたユーミンの3曲は

海を見ていた午後
Sweet Dreams
メトロポリスの片隅で

なるほど。ではタブ純は

中央フリーウェイ
翳りゆく部屋
まちぶせ

恥ずかしながら、
好きなユーミンソングを3曲挙げるとすると、

ベルベット・イースター
最後の春休み
守ってあげたい

といったところでしょうか。
他にもどんどん出てきそうだけど、
まあこんなところで。

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虚言と締め付け

2022年10月08日 | 日々、徒然に
タブ純のラジオを聞いていたら、
紅白の衣装につける電飾を用意しているとかなんとか。
出るんですか。まさかあ。いや、出るなら応援するけれど。
真偽のほどはともかく、
電車内でもおせち料理の広告が目についたりして、
一気に寒くなったのも相まって、早くも年末モードですか。

こうなったら麦のアレじゃなく、米のソレでしょう。
で、鍋とかおでんとかで、きゅーっと。
よし、決めたきゅーっと行こうきゅーっと。
と思ったら締切できゅーっと。

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上へ下への

2022年10月07日 | 日々、徒然に
12月に出す本がそろそろ大詰め。
監修者からのチェックが戻ってきたので、
いよいよ入稿に向けて上を下へのジレッタ。
この本は3冊シリーズで、続けて
1月2月と出していかなければならず、
この1冊だけに集中してはいられないのです。

さらに別進行の本で、取材ラッシュが始まりつつあり、
およそ12件ほどのインタビューの予定が。
さすがに一人ではできないので、ライターさんたちの力を
お借りしつつ、スケジューリングに追われる。
かと思ったら、雑誌の原稿も締切が迫ってきたりして、
どうなっとるんじゃ、あん? と曇天の虚空に向かって叫ぶ。

上を下へのジレッタ、
と書いたのは、NHKで手塚治虫のドキュメンタリーを見たからです。
亡くなる4年ほど前。55歳ぐらいの手塚先生は、
それはもう修羅場も修羅場。周りを巻き込みながら
必死の形相でマンガを描く姿。それに比べたら、
自分の忙しさなんて足元にも及びません。


3日間で睡眠時間は3時間とのナレーション。
原稿を終わらせて「もう1本32ページのがあるんだよ」と、
笑いながらまっさら(に見える)なケント紙を
パラパラとする手塚先生。
疲労困憊のはずなのに、
逆立ちをする先生を見て思わず悲鳴を上げる。
先生、駄目ですよ。そんなコトしたらアレですよ。
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グローリーデイズふたたび

2022年10月06日 | やさぐれ男のつぶやき
さ、寒い!
心も、そしてフトコロも。

と、お約束のフレーズを
連発する季節になりました。

というか、今週ずっと暑かったですよね。
月曜とか火曜とか30度ぐらいでしたよね。
なのに、この雨でこの寒さ。なんとかしてくださいよ。
このまま秋を通り越して冬になるのだけは勘弁して頂戴。

おかげで体も頭も動かないじゃないですか。
寒いから締切も気にしなくていいですよね。ねったら、ねっ。
え、駄目なんですか。そんな殺生な。

スプリングスティーンが新譜を出すらしい。
テンプテーションズやシュープリームスなどの
スイートソウル系の名曲のカバー集のようで。
最近とみに歌心にあふれるボスの新作に期待大。
11月発売ということで、その頃はさらに心もフトコロも
寒くなっているとは思うけど、コレを聞けば
少しは温かくなるかな、と。


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人生も校正してもらいたい

2022年10月05日 | 読んでいろいろ思うところが
牟田都子「文にあたる」(亜紀書房)を読む。
校正者である著者が、
日々の仕事で出会う書物と言葉への思いを綴る。
自分も出版業界にいるので、
校正や校閲の重要さや大切さ、
そして、どれだけ困難な仕事かは承知している。
と思っていたら、とんでもない。
校正者の仕事はそんなありきたりな言葉では
表せないほど、カオスで深淵な仕事のようだ。


どんなに経験を積んだベテランの校正者でも、
本の間違いを見逃すことがあるし、
校正の仕事を始めたばかりの初心者が、
誰も気づかなかった誤植をあっさり見つけることもある。
間違いゼロが当たり前の世界なので、
たとえ完璧に校正できたとしても、
褒められることは滅多にない。
恥ずかしい誤植が1つでもあると、
責められることがあるのが校正者だ。

小説の場合、文法的に明らかな間違いがあったとしても、
著者があえてそう書いたのかもしれず、
これが正しいのか間違っているのかの判断に苦しむこともある。
また、街を歩くエッセイがあったとして、
見えてくる施設や建物の順番に間違いがないか
地図やグーグルマップを駆使し、
著者はどの道を歩き、どのように見ているのかを確認する。
それでもはっきりしない場合、現地に行って実際に確かめたり、
あまりにも遠い街の場合は、現地に知り合いがいたら、
その人に頼んで確かめてもらったりするエピソードが
なんともダイナミックだなあと思いつつ、
そんな校正をする人の大変さが忍ばれる。

本は長く残るので、なるべく誤植や間違いは無くしたい。
実用書などで間違いがあったら大変だし、
万が一、命にかかわることだってあるだろう。
そんなプレッシャーと戦いつつ、
著者は本と校正についてこう語る。

本を読んでいて誤植があると、散歩をしていて小石に蹴つまずいたような気持ちになる、と言われたことがあります。転ぶまでにはいたらなくてもひやりとして、それまでの静けさは消えてしまい、容易には戻ってこない。(中略) 本は人間よりも長く生きるのです。そうした可能性を考えたとき、すべての本が等しく手をかけて作られてほしい。理想論かもしれませんが、そう願わずにはいられないのです。

キレイですっきりした、そして文学的な筆致が心地良い。
本書は著書が校正したのかな、と思ったら、
もちろんそんなことはなく、ちゃんと他者の校正者がいた。
その人への献辞もしっかりあとがきで
触れられていて好感が持てる。

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すべてはお姉さんのせい

2022年10月04日 | 日々、徒然に
ぶちっ。ぶちぶちっ。

うっ。なにやら不穏な音が。何があったのだ。
驚愕しつつ、音のするほうに目を向けると、
安レコ(580円)がターンテーブルの上で
ぐるぐると回っていたという。

そうなのだ。いつものように
安レコ(580円)を買い、脱兎のごとく家に戻り、
それはそれは気持ち悪い薄笑いを浮かべながら、
プレーヤーにかけ針を落としたと思いねえ。

ほほお。ええ曲じゃ。
名盤じゃ、名盤。ええ買い物したのお。
と思ったのも束の間、ぶちぶちと針が飛ぶではないか。
盤を見たら、小さな傷があるようなないような。

ぶちゃひしゃげちゃれい!

そうか。あんときか。なんということじゃ、
レジのお姉さんに「検盤しますか?」と聞かれて、
「あ〜いえいえ〜貧乏人の自分に
 そんな資格なんぞありゃしませんから〜
 安レコ(580円)なんぞで、恐れ多いですよ〜へっへっへ」
と卑屈に遠慮した自分のアホさ加減と言うたら!
お姉さんもお姉さんじゃ、
なんであんなに冷たい目をするんじゃ。
プレッシャーでなんも言えんようになるじゃろが!
ぶちゃひしゃげちゃれい!

だからといって、
後日、同じレコを買い直すのは邪道でしょう。
ぶちぶちという音があろうと
名盤であることは変わりがないと信じたい。
針が飛ぶのも曲の一部である、たぶん。きっと。

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だってだっての総括

2022年10月03日 | 我がドラゴンズ
我がドラゴンズ。

全日程が終了し、6位が確定。
最下位ではなく6位ですよ、6位。
と、虚勢を張るドラゴンズファンは
世界中にたくさんいると思います。
だって、ベイスターズに負けすぎたに過ぎないですよ。
だってだってなんだもん。
優勝したスワローズには
勝ち越してるんですからね、ねったら、ねっ。

大島の首位打者、もう少しだったのに残念です。
でもよく頑張ってくれました。申し分ない活躍です。
嬉しいことに岡林がブレイクし、
最多安打に手が届くほどまでになりました。
雄大も柳もそこそこだったし、慎之介の10勝到達はお見事。
根尾くんは投手として来季は
きっともっとやってくれることでしょう。
そして高橋宏。このべらぼうな投手はきっと
マリーンズの佐々木朗、そしてバファローズの山本由らと
肩を並べるほどの逸材だと信じています。

平田の退団はとても残念で悲しい。
ドラゴンズの中軸を長く担ってくれただけに、
ここ数年は怪我に泣かされ続けて、痛々しかった。
新天地での活躍を期待しています。

あとはホントに打線ですね。
ビシエドに頼りすぎな打線をどう立て直すか。
大島や阿部が元気なうちに
石川昴や鵜飼らの若手のブレイクがきっとあるでしょう。
で、周平と京田が復調すればいけるはず。きっと。
我々は応援することしかできないというか、
純粋な気持ちで、勝って喜び、負けて悔しがる。
そんな対象があることの幸せを噛みしめてまた来季。
立浪監督の2年目を期待したいと思います。

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やさぐれこそ正義

2022年10月02日 | 映画など
タナダユキ監督
「マイ・ブロークン・マリコ」を見る。
やさぐれた永野芽郁がこちらを睨んでいるポスターを見て、
これはいい映画に違いない、と思ったら
まさに予想通りだったという。
やさぐれ度が上がれば上がるほど
映画が良くなるというのは、たぶん正しい。


絵に描いたような
ブラック企業に勤めるトモヨは、
幼い頃からの親友マリコが自殺したことを知る。
いても立ってもいられず、マリコの遺骨を親元から奪い取る。
マリコとの思い出がインサートされながら、
トモヨはマリコが行きたがっていた海岸に向かう。

遺骨を持ちながら電車に乗り、牛丼を喰らい、
バスに乗り込み、チューハイをあおり
海岸にあったボートで野宿するトモヨの姿。
どこかで見たことがあるなと思ったら、
そうか。これは「ガルシアの首」じゃないか。
本作の永野芽郁は、生首を持って彷徨う
ウォーレン・オーツの生き写しに違いない、
というのはシネフィルの戯れ言です。

閑話休題。
この永野芽郁はとにかく逞しい。
クソみたいな世の中で、唯一信じられるのは
死んでしまったマリコとの繋がりだけ。
それをエネルギーにして映画を駆け抜けるのだ。
振り切ったかのような永野芽郁の演技と、
薄幸な役どころがぴたりハマった奈緒との
アンサンブルも素晴らしい。

そういえばこの二人、
朝ドラ「半分、青い」で共演しているんだな。
あんなお茶の間向けのドラマから、
よくぞこんなやさぐれた映画に出てくれました。
そしてタナダユキ監督。
いつもいい映画を見せてくれて、ありがとうと言いたいです。

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腸が飛び出た日

2022年10月01日 | 日々、徒然に
訃報ばかりで、なんともつらい。

三遊亭円楽師匠が亡くなったという。
享年72。ついこの間、病から復帰して
高座に出たニュースがあったというのに残念でならない。

個人的には円楽というより楽太郎、
と言った方が馴染みがある噺家さんだった。
「笑点」では腹黒なキャラで売っていたけれど、
若い頃はタレントとしてマラソンの瀬古選手の
物真似をしていたのが懐かしい。
青学出身ということもあるのかな、育ちが良さげで、
インテリ風を吹かせた芸風が楽しかった。

生で師匠の高座を聞いたのは3度か4度。
あれは20年ほど前、まだ楽太郎だった頃、
20人も入ったら満席になるような、
ものすごく狭い両国の演芸場で、
しかも一番前の席で師匠の落語を聞いたことがあった。

師匠は一人ひとりの客の目を見ながら、
あんたら、全員笑い死にするよ、
というぐらいの噺をしてくれました。
あのときはホントに死ぬかと思うぐらい笑わされましたよ。
師匠、ありがとうございました。合掌。

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