世間は明日からお盆休みらしいけど、
書籍と雑誌が3誌。ほぼ同時進行で、
夏休みの宿題がどっさり、という。
別に長期の休みが欲しいわけじゃないけれど、
せめてのんびり本を読んで、寄席でも行って、
映画見てレコード聞いて、銭湯でも行けたらいいのになあと。
それでアレですよ、アレ。麦とか米とかの、アレを。うひょひょ。
世間は明日からお盆休みらしいけど、
書籍と雑誌が3誌。ほぼ同時進行で、
夏休みの宿題がどっさり、という。
別に長期の休みが欲しいわけじゃないけれど、
せめてのんびり本を読んで、寄席でも行って、
映画見てレコード聞いて、銭湯でも行けたらいいのになあと。
それでアレですよ、アレ。麦とか米とかの、アレを。うひょひょ。
暑い。溶ける。心も体も脳味噌も。
いつから東京は熱帯になったのか、
という問いかけもここ10年ぐらいずっとしているような。
仕事場近くに贔屓にしている和菓子屋さんがあるのだけど、
見ての通り、お休みとな。
ここの水ようかんが美味なので、買おうかなと思ったけど、
いいよいいよ。休んで。ごゆっくり。と、
シャッターに向かって語りかけるのでした。
エドワード・ヤン監督「台北ストーリー」を見る。
長らく未公開だった同監督の第二作。
主演はなんとホウ・シャオシエン監督で、
相手役の女優さんは、ヤン監督の奥さんだった人。
そんな情報を頭に入れて見ていたら、
厳しくてキレのある演出に、
ヨコシマな考えなど吹っ飛んでしまったというか。
かつて野球選手として名を馳せたアリョンは、
実家の織物問屋を継ぎながら、まったく浮上しない自身に苛立ち、
恋人のアジンも、仕事をリストラとなり、
気持ちのはっきりしないアリョンにためらいながら、
快楽にまかせた毎日を送る。
淡々としたストーリー展開のなか、
だんだんストレスをため込んでいく登場人物たち。
見た目は普通なのだけど、
体と心のなかはストレスで充満して、
もう暴発寸前、というか。
制作が85年だから、バブル前で、
変貌著しい台北という街並みを見つめる映画でもある。
ビルのネオンサインをバックに捉えられた
ヒロインのロングショットの美しさに目を見張る。
こういうのをキレのある映画と言うのだろう。
じめじめ。べとべと。
台風のせいか、気温はそれほど高くはないのだけど、
湿度が高くて、あらゆるものがべたつくというか。
おかげで仕事も集中できず、と思ったら意外と進む。
ここしばらくダラダラと仕事をしていて、
集中力に欠けているなあと思ったけど、
仕事自体の難易度が高いので、
時間がかかるのは仕方ないのかな、と勝手に納得する。
世間はもうすぐお盆だけど、休めるだろうか。
どうも、雲行きが怪しくなってきた。台風じゃなくて、休みが。
藤本国彦「ビートルズ語辞典」(誠文堂新光社)を読む。
ビートルズにまつわる用語を、
著者が選んで解説しているのだけど、
客観性がまるでないところが、いい。
「ペパーズ」50周年ということで、これでもかと
関連本が出まくっているのを書店で見ていると、
いったいどれだけ重箱の隅があるんだろうと。
そういう意味で、軽く読めて、
自分のようなファンではあるけど、マニアではない人間には
ちょうどいいさじ加減というか。
ビートルズについての用語が五十音順に並んでいて、
たとえば「い」の項目で、
YES
家出少女
イエロー・サブマリン(サウンドトラック)
イエロー・サブマリン(曲)
イエロー・サブマリン(映画)
イエロー・サブマリン音頭
と続くところや、「み」では、
ミスター・ムーンライト
水野晴郎
味噌汁
ミック・ジャガー
ミミおばさん
ミュージックライフ
ミリタリールック
という流れ。ビートルズとどんな繋がりが?
と思いながら読むのが楽しい。
この本を読まないで、どんな繋がりがあるかわかる人は、
かなりのマニアですな。
なんといっても、いちいち、ヘタウマというか、
可愛いイラストが細かく挿入されているのが素晴らしい。
杉本綾子さんという人らしいけど、愛のある仕事という気が。
この2日ほど、原稿が進まず右往左往。
ずっと唸っていたわけではないのだけど、
突破口が見つからず、そうこうしているうちに
集中力が落ちてしまうという、よくないパターン。
原稿が進まないときはどうすればいいか。
特効薬はただひとつ。
書くことだ。書き続けること。
書いているうちに、少しだけ脳細胞のめぐりが良くなるが、
そう思ったのも一瞬で、またしゅるしゅると萎んでいくのでした。
夕方からK社の編集さんのところに
企画を持ち込む。いろいろと意見を交わす。
うまく流れていけばいいのだけど、
そうなるためには、もう少し脳味噌を使わないと。
今月の「ロッキングオン」はニール・ヤングの大特集。
なぜ今やるんだろう、という疑問はさておいて、
自身が選ぶベスト16。けっこう詳細なアルバムガイド。
そして評伝と、ニール・ヤングでこれだけの充実度は嬉しい限り。
「カウガール・イン・ザ・サンド」とか
「ダウン・バイ・ザ・リバー」「ヘルプレス」
「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」「ヘイ・ヘイ・マイ・マイ」
と定番の曲を紹介して、若いファンを取り込もうとしているのか。
というか、ロートルなロックファンばかりなのかな、読者が。
朝から原宿方面で
9月に出る雑誌の編集会議。
出した企画がうまく流れてくれるのを願いつつ、
いろいろと提案やら意見やら。
会議のあと原宿駅近くの、
いつ行っても客のいない喫茶店で、
コーヒーにどら焼きなどを食しながら、ライターS嬢&T嬢と
それはそれはやさぐれた話に花を咲かせるのでした。
そのまま山手線に乗って、品川方面のG社に行き、
懸案となっていた本の構成について話し合う。
なんとか方向性が見えてきたかな、と。
難易度高いなあと思いながら、ここを乗り越えれば
きっと新たなものが見えてくるだろうと信じたい。
仕事場に戻ったら、10月初旬に出る雑誌の対談企画で
お願いしていたタレントさんからOKの返事が来ていてほっとする。
もろもろ、少しずつ、進めていければと。
サム・シェパードさん…。
「ライトスタッフ」出演。
音速を超え、宇宙をその目で見た男。
なんという凛々しさ。姿勢がいいんだな。
映画史上、最高のドヤ顔、と言ったら、
この映画のサム・シェパードにとどめを刺す。
「パリ、テキサス」脚本。
愛を受け入れることができない男の
彷徨っぷりが、やさぐれた自分に滲みた。
ヴェンダースの、ライ・クーダーの、
スタントンの、ナタキンの映画だけど、
サム・シェパードの映画でもあるんだな、と。
「ローリングサンダー航海日誌」著作。
70年代のディランのツアーに同行した
ルポルタージュ。ふたりの才能がぶつかり、
尊重しあう様子が詩的に美しくて。
俳優、脚本家、作家としてカッコいい人だったなと思う。
本当は劇作家なんだろうけど、
そのあたりを追いかけなかったのが、今となっては悔やまれる。
時間を見つけて、
ロートルの西部劇スターを演じた
「アメリカ、家族のいる風景」をまた見たいと思います。
それにしても
訃報が続いて、シネフィルにはたいへん辛い日々です。