アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
『ブンミおじさんの森』を見る。
2010年のカンヌでパルムドールを獲ったタイの映画。
本気とも冗談ともつかない、不可思議な世界観で、
見る者を圧倒しつつも、どこか煙に巻かれたような気になる。

舞台はタイ東北部の農園。
腎臓病に苦しむ老人のもとに、死んだ妻の妹と息子がやってくる。
静まりかえった農園の夜、老人たちの団欒の場に
突然、死んだ妻の幽霊が現れる。
ここまでは、いい。死者がよみがえる話は、
仏教観と相まって、
お盆という風習を持つ日本人にとっても非常に馴染みがある。
だが、そのあと行方不明になって、
死んだと思われていた老人の息子も現れるのだが、
その姿が奇怪というか、ギャグかよ、と思うぐらいのビジュアル。
そこからあれよあれよという間に、
時空を超え、生と死がないまぜになった物語が繰り広げられる。
こういうとき、自分のようなシネフィルの悪い癖で、
それまでに見た映画の記憶をフルに働かせて、
「あの映画に似てる」とか「ナントカという監督の影響があるんじゃないか」
と分析し始めてしまうのだが、この映画に関しては、
あまりそういう分析ができないというか。
強いて言うなら河瀬直美的世界に、
タランティーノ的演出を加えたような、ある意味乱暴なテイスト。
とにかく、一言で言い表すと「変な映画」。
これに尽きますな。決して悪い意味ではないですよ。
パルムドールを与えたカンヌの審査委員長は
ティム・バートンだったようで。なるほど。
監督のアピチャッポン・ウィーラセタクン。
発音すると絶対舌を噛みそうなこのタイの映画監督は、
『トロピカル・マラディ』という映画で世界的に注目された新鋭。
日本ではこの『ブンミおじさん』が初の劇場公開。
ラストシーンに流れるタイのバンドの曲が、いい。
Penguin Villaというバンドらしい。この人たちの曲をもっと聞いてみたい。
ということで張っておきます。
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『ブンミおじさんの森』を見る。
2010年のカンヌでパルムドールを獲ったタイの映画。
本気とも冗談ともつかない、不可思議な世界観で、
見る者を圧倒しつつも、どこか煙に巻かれたような気になる。

舞台はタイ東北部の農園。
腎臓病に苦しむ老人のもとに、死んだ妻の妹と息子がやってくる。
静まりかえった農園の夜、老人たちの団欒の場に
突然、死んだ妻の幽霊が現れる。
ここまでは、いい。死者がよみがえる話は、
仏教観と相まって、
お盆という風習を持つ日本人にとっても非常に馴染みがある。
だが、そのあと行方不明になって、
死んだと思われていた老人の息子も現れるのだが、
その姿が奇怪というか、ギャグかよ、と思うぐらいのビジュアル。
そこからあれよあれよという間に、
時空を超え、生と死がないまぜになった物語が繰り広げられる。
こういうとき、自分のようなシネフィルの悪い癖で、
それまでに見た映画の記憶をフルに働かせて、
「あの映画に似てる」とか「ナントカという監督の影響があるんじゃないか」
と分析し始めてしまうのだが、この映画に関しては、
あまりそういう分析ができないというか。
強いて言うなら河瀬直美的世界に、
タランティーノ的演出を加えたような、ある意味乱暴なテイスト。
とにかく、一言で言い表すと「変な映画」。
これに尽きますな。決して悪い意味ではないですよ。
パルムドールを与えたカンヌの審査委員長は
ティム・バートンだったようで。なるほど。
監督のアピチャッポン・ウィーラセタクン。
発音すると絶対舌を噛みそうなこのタイの映画監督は、
『トロピカル・マラディ』という映画で世界的に注目された新鋭。
日本ではこの『ブンミおじさん』が初の劇場公開。
ラストシーンに流れるタイのバンドの曲が、いい。
Penguin Villaというバンドらしい。この人たちの曲をもっと聞いてみたい。
ということで張っておきます。
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