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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

戸惑いながらも笑って

2011年03月21日 | 映画など
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
『ブンミおじさんの森』を見る。
2010年のカンヌでパルムドールを獲ったタイの映画。
本気とも冗談ともつかない、不可思議な世界観で、
見る者を圧倒しつつも、どこか煙に巻かれたような気になる。



舞台はタイ東北部の農園。
腎臓病に苦しむ老人のもとに、死んだ妻の妹と息子がやってくる。
静まりかえった農園の夜、老人たちの団欒の場に
突然、死んだ妻の幽霊が現れる。
ここまでは、いい。死者がよみがえる話は、
仏教観と相まって、
お盆という風習を持つ日本人にとっても非常に馴染みがある。

だが、そのあと行方不明になって、
死んだと思われていた老人の息子も現れるのだが、
その姿が奇怪というか、ギャグかよ、と思うぐらいのビジュアル。

そこからあれよあれよという間に、
時空を超え、生と死がないまぜになった物語が繰り広げられる。
こういうとき、自分のようなシネフィルの悪い癖で、
それまでに見た映画の記憶をフルに働かせて、
「あの映画に似てる」とか「ナントカという監督の影響があるんじゃないか」
と分析し始めてしまうのだが、この映画に関しては、
あまりそういう分析ができないというか。
強いて言うなら河瀬直美的世界に、
タランティーノ的演出を加えたような、ある意味乱暴なテイスト。

とにかく、一言で言い表すと「変な映画」。
これに尽きますな。決して悪い意味ではないですよ。
パルムドールを与えたカンヌの審査委員長は
ティム・バートンだったようで。なるほど。

監督のアピチャッポン・ウィーラセタクン。
発音すると絶対舌を噛みそうなこのタイの映画監督は、
『トロピカル・マラディ』という映画で世界的に注目された新鋭。
日本ではこの『ブンミおじさん』が初の劇場公開。

ラストシーンに流れるタイのバンドの曲が、いい。
Penguin Villaというバンドらしい。この人たちの曲をもっと聞いてみたい。
ということで張っておきます。

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メディアの大小にかかわらず

2011年03月19日 | 日々、徒然に
ビデオジャーナリストの人たちの
メディアとなっている「アワープラネットTV」で、
広河隆一さんを始めとするジャーナリストたちによる、
福島原発近くに位置する双葉町周辺の取材映像が配信されている。

http://www.ourplanet-tv.org/

テレビや新聞などのメディアが、
政府や東電が発表した放射線量を大前提にしている反面、
広河さんたちは、計測器を実際に持ち
その数値について警鐘を鳴らしている。

どこの誰の情報を信じるか。
それはあなた次第だけど、
こういうリアルな取材映像は見ておくべきだと思う。

あと、放射能がなぜ身体に有害なのか。
その説明がすごくわかりやすいです。
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やるべきこと、信じること

2011年03月18日 | 日々、徒然に
街が閑散としている。
電車も空いているし、夜になると灯りが少なくて薄暗い。
この薄暗さはどこか見覚えがあるな、と思ったら、
海外に行ったとき、夜はこんな感じだったと思いだした。
日本が、特に都市部は明るすぎなのかもしれない。

漫画家さんからメールが来て、
実家の茨城に帰っていたとき、ちょうど震災にあったという。
家族は無事だったが、交通手段がマヒしていて、
都内に戻って来られないという。
戻ったら、仕事はちゃんと再開します、と。

知り合いのデザイナーさんからメールが届いた。
この非常時、自分に何ができるだろう、と考えて、
たとえば買い占めを諫めるポスターとか、
行方不明になった人を探すチラシなどのデザインを無償で作成するという。

クライアントからの連絡は、この一週間、かなり少ない。
自宅待機の会社も多く、しばらくは様子を見ている感じだ。

元気なのは、フリーのデザイナーやライター、カメラマンの人たち。
ちゃんとデザインは上がってくるし、ゲラもしっかり届く。
撮影のお願いをしたら、二つ返事で引き受けてくれるし。

また、早く本の打ち合わせをしたいと催促してくる版元や、
面白可笑しい企画で協力をあおいでくる雑誌の編集さんなど、
仕事モードの人がたくさんいるのは、心強い。

やるべきことを、しっかりやる。
そういう気持ちでやっている人たちは、やっぱり正しい。
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いつもの日常がまた来ると

2011年03月17日 | 日々、徒然に
大規模停電の恐れあり、ということで、
早めに帰ったほうがよいのでは、という空気が漂ってくる。

「入稿は遅れてもいいから、早く帰ったほうがいいよ」
と言うクライアントまで現れて、末期的だなあ、と。
自分のようなワーカホリックは、こういうときに
どうも所在がなくなってしまうのだ。
やらなきゃいけない仕事はたくさんあるのだが。

帰宅したら、
大規模停電はなくなったとニュースが伝えていた。
残念だけど、帰ってきてしまったものは仕方がない。
それにしても余震、多すぎ。
あと、この寒さといったら、ない。

ビーディ・アイ『ディファレント・ギア、スティル・スピーディング』を聞く。
オアシスのリアム・ギャラガー率いる新バンドのデビューアルバムだ。
ボーカルとギターは、まさしくオアシスだけど、
多彩でご機嫌なロックンロールアルバムですな。



もしこの先、日本が大変な時期を乗り越えて、
いつもと同じ日常が戻ってきたら、
やさぐれながら仕事して、ビーディ・アイのライブにでも行って、
帰りに生ビールをきゅっといきながら、
「リアム、乗り乗りだったな~」とか言って。
べろべろになって帰って、次の日、二日酔いに悩まされながらも、仕事する。
そんな日常がまた来るといいな。そう願ってもう一回聞こうかと。
レビューはまた追って書きます。
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存在自体が不謹慎

2011年03月16日 | 邪悪なT君
都内のスーパーやコンビニでは、
買い占めが横行し、米やパン、飲料水、そしてカップ麺が
棚から消えてしまうことしばしば。
カップ麺の棚がガランとしている光景は異様というか。

しかし、なぜかカップ焼きそばだけが売れ残っていることが多い。
地震後、自宅近くのスーパーで「ペヤングソース焼きそば」だけが残っていたし、
O君の報告によると、仕事場近くのファミマでも
「デカ王」が1個ポツンとあったらしい。
なぜだ。謎が謎を呼ぶカップ焼きそばの怪。

うひょひょひょひょひょ。

おい。不謹慎だろ。こんなときに。
そう叱責したにもかかわらず、
邪悪なT君は暴走しまくるのだった。

「いや~大変なことになっちゃいましたね~。
 そうですか~売れ残ってますか~カップ焼きそば」

カップ焼きそばは、カップ麺よりカロリーが高いし、
保存食として優れモノだと思うのだが。

「確かにそうなんですけどね~。
 ほら東京は被災地じゃないじゃないですか。
 みんな不安だから買ってるだけですから。
 本当に重宝しそうなものしか手が出ないんじゃないですか~」

ということは、カップ焼きそばは重宝しないということなのか。

「修行が足りませんね~だってあんなふざけた食いものってないですよ~。
 そもそも焼いてないのに『焼きそば』ですからね。
 カップ焼きそばって、食いものというより、
 エンタテインメントですからね~うひょひょ」

存在自体がおちゃらけているというわけか。

「ゲームソフトとか、iPad2とか、
 ああいう浮かれたモノは軒並み発売延期になってるじゃないですか~。
 それと同じですよ~カップ焼きそばは平和な時代にこそ、
 存在価値があるんですよ。うひょひょひょ」

ということは、この非常時、
カップ焼きそばを喰ってないのか、君は。

「うひょひょひょ。それとこれとは話が別ですよ~。
 やっぱり喰いたくなるじゃないですか。
 でも近くのスーパーでは売ってなかったんですよ~。 
 代わりに売ってたのがキムチうどんでした~まあそれで妥協しましょうかね~」

妥協の意味がわからないぞ。
それにしても、なんという不謹慎な発言。
というか、君自体が不謹慎だ。





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ノーモア暴利

2011年03月15日 | 日々、徒然に
誰かに電話したりメールしたりするときは、
決まって「地震、大丈夫でした?」と聞いていた。
それがなんだか社交辞令のような感じになっていた矢先。
知り合いのデザイナーさんにも同じように聞いたら、

「うちの実家、陸前高田なんですよ」

と。返す言葉を失う。
実家のご家族とはまったく連絡が取れず、
テレビで避難所が中継されたとき、ご家族の姿が写っているのを確認したそうだ。
ただ、まだ安否がわからない親族がいるらしく、
だからといって、クルマで探しにいくわけにもいかなくて、と。
無事を願うしか、ない。

石原都知事の「天罰」発言。
どんな文脈であろうと、まずいでしょう。
対立候補が撤退しそうな状況だし、
このままだとまた次の選挙で選ばれてしまいそうだ。

東電の本店に乗り込んだ菅首相。
「一体どうなっているんだ」と。
つい数ヶ月前だったか。確かベトナムへの原発建設の受注を決めて
満面の笑みを浮かべていたのは、あなたですよ、菅さん。

眠い目をこすりながら、仕事をしていたのだが、
計画停電や原発事故の影響で、
社員の出社を取りやめる取引先の多いこと。
そのせいか電話もあまり鳴らず、
時々起こる余震を感じながら、仕事。

帰り途中、自宅近くのスーパーに寄る。



例によって、パンやカップ麺は売り切れ。
弁当も売り切れだと思ったら、これだけ残っていた。
千円の幕の内弁当って、あんた。買わないよ、そりゃ。


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そのコリコリが、また

2011年03月15日 | 日々、徒然に
月曜日。
いつものように朝、家を出て駅に向かう。
駅では計画停電の影響で入場制限が敷かれていて、長蛇の列。
近くのコンビニで買ったAERAを読みながら、待つ。
金曜日に起こった地震の記事がもう掲載されていた。
しかも「現代の肖像」が枝野官房長官。見事なフットワーク。

どんなに地震の被害が甚大でも、
目の前の仕事は、しっかりとこなさないといけないわけで。
電話やメールで「大丈夫でしたか?」の言葉の次は、
いつも通りの仕事話に明け暮れる。

仕事場に佐川急便のお兄さんが集荷に来たのだけど、
そのお兄さんいわく、

「津波のニュースを見ていたら、
 うち(佐川)のトラックが流されていたんですよ」

安否を知る術もないという。それはそうだろう。

そうこうしているうちに夜となり、
デザイナーさんに原稿を送ったりしていたら、もう10時。
慌てて、仕事場を出てライターのT君(邪悪なT君ではない)と打ち合わせ。
雑談が面白くて、打ち合わせが終わったのが夜中の2時半。ひい。

タクシーを拾って、帰途につく。
運転手さんに金曜日の地震直後の様子を聞いたら、

「もう大変でしたよ、渋滞で。6キロの道を6時間かけて運転してました。
 お客さんに、歩いた方が早いんじゃないですか、って言ったんですけど、
 そのお客さん、もう歩くのはこりごりだって」

ちなみに料金は2万5千円だったという。歩けば2時間ぐらいで目的地に着くだろうに。
でもそのお客さん、それまで4時間以上歩いていたという。なんともまあ。

タクシーを降りて、自宅近くのコンビニをのぞいたら、
相変わらずカップ麺の棚は空っぽ。
その反面、パンのコーナーにはかなりの数のパンが。
店員さんに聞いたら、

「さっき、たまたま入荷しましたけど、明日以降はわかんないですねえ」

まあ、そうだろうな、と思いつつ、
昼から何も食べていないことに気がつき、クルミパンを買う。
帰宅して、そのクルミパンをいただく。
クルミのコリコリしたところが美味しい。

コリコリを、噛みしめる。
明日も(今日か)仕事です。




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とんでもない爆発

2011年03月13日 | 日々、徒然に
鶴見済さんのブログを読んでいたら、
福島原発爆発の瞬間の映像がリンクされていた。
イギリスBBCのニュースサイトのようだ。

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12721498

これを見ると、相当やばいのでは、と。
日本のテレビでは流れているのだろうか。
電力会社の関係者が「まったくの想定外」だと。
「想定外」と言えば免責されると思っているのだろうか。


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不安が煽られる

2011年03月12日 | 日々、徒然に
「川の近くには絶対近寄らないでください」
町内にそのようなアナウンスが頻繁に響いてきた。
逆流の恐れがあるということだろう。

友人や仕事仲間から何通かメールを受け取る。
昨日、水道橋で別れたカメラマンさんは、
クルマで西荻窪の自宅まで6時間かかったとのこと。
友人の一人はお茶の水から自宅のある練馬まで5時間歩いたとか。

自宅近くのスーパーが朝10時に開店したので、
水のペットボトルなどを買い出しにいく。
開店して10分も経っていないのに、レジは長蛇の列。
ペットボトルも飛ぶように売れている様子。
なんとか3本確保して、
あとはティッシュペーパーと携帯カイロを買う。

それにしても福島の原発爆発。
これが一番やばいのかもしれない。
二次災害として最悪なケースにならないことを望む。
さんざん原発の安全性を説いてきた国や企業はどういう言い訳をするのだろう。



夕方、もう一度スーパーに行く。
パン売り場はすっからかんなのに驚く。
水やお茶のペットボトル、カップ麺も売り切れ。お米も、ない。
都内はまだ平穏だと思うのだけど、みんな不安で買い溜めに走ったとおぼしい。

なぜかペヤングソース焼きそばだけは売れ残っていた。
非常時にはアレな食品かもしれぬ。邪悪なT君よ。
東北は生産地だし、物流ルートも混乱しているだろう。
モノがなくて買えない状況がやってくるのだろうか。
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ウィルコムはまだまとも

2011年03月12日 | 日々、徒然に
自宅に帰ったら、意外と部屋の中はまともで、
大きな地震がおきたら、積み上げてある本やCDが散乱するだろうな、
と思っていたけれど、そこは大丈夫で、
リビングに置いてある室内物干しが転倒していて、衣服が散乱状態。
まあでも大したことはなく、電気やガスも正常。
ライフラインが途絶している人たちのことを思うと、なんとも。

携帯は今でも通じにくい。
それでも地震直後、ウィルコム(PHS)はまだ通じる方で、
同じウィルコムを持つ相手とはすぐ電話が通じたりした。
でもほとんどの人はドコモかauなので、
役に立たなかったことは事実だけど。

福島第二原発の事故。宮城の津波被害だけでなく、
日本全国に多大な被害がもたらされている。
阪神淡路大震災のときよりも、被害の地域は広大で、
犠牲者の数も甚大な感じ。

都内の路線はかなり正常に運行しているようだけど、
とりあえず、様子を見ます。


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