Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

あなあきい一代

2023年06月15日 | 日々、徒然に
「いちばん好きな映画は?」と
聞かれることがあったりすると、
「セーラー服と機関銃」とか「時をかける少女」
と答えたりしているけれど。
あるいは「紳士は金髪がお好き」とか
「イースターパレード」と答えたりしているけれど。
もしかするといちばん好きな映画は
「脱獄広島殺人囚」かもしれない。そう。
そうなんですよ。中島貞夫監督。聞いてますか。


強盗殺人罪で20年の懲役を食らった
実在の人物をモデルにした男の一代記。
あの手この手で脱獄をくり返す松方弘樹。
あくまで自分の欲望のため、自由のためにもがき、暴れる。
その姿は滑稽でありながら、限りなく神々しい。
世間のしがらみにがんじがらめになった小市民(自分)は、
映画館の暗闇に逃げ込み、
常に前を向き、思うままに生きる松方弘樹の姿に、
快哉の声をあげるのです。

同じ中島&松方コンビの「暴動島根刑務所」
そして「強盗放火殺人囚」(監督は山下耕作)と
本作を合わせた松方の脱獄3部作は、
なんとも物騒なタイトルと共に
映画史に永遠に残ることでしょう。

中島監督にはほかにも「893愚連隊」「狂った野獣」
「鉄砲玉の美学」「実録外伝 大阪電撃作戦」など
名作がたくさんあるのは言わずもがな。
お世話になりました。合掌。

コメント
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