





よく行く中古レコ屋で、意中のレコを発見。
しかも988円というお手頃な値段で、
店のおっちゃんから見たら、さぞかし自分はニヤけていたに違いない。
原稿書きが残っているにもかかわらず、
ニヤけ男はそのまま家に戻り、
さっそくレコを聞くのでした。
最初は「こんなものか」と思ったりしたけれど、
A面のラストから、B面にかけての曲にチビる。
ニヤけてチビりまくった男が原稿にとりかかるのは、
それから結構な時間が経ってからだったのです。
恐ろしいほどの猛暑。
外に出ようとすると、まるで戦場に行くような気分になる。
とんでもない爆発があったレバノンの人たちと比べたら、
まだまともな世界に生きているのだろうと思いつつ、
あちいあちい、と呪詛の言葉を吐きながら、仕事場に。
やってもやっても終わらない、
と思っていた仕事も、ゴールが見えてきたというか。
別の言い方をするなら、たどり着くまでの道のりはわかってきたけれど、
かなり険しい道程になりそうで、そのために自分に残された時間は
さほどない、ということ。なんともまあ。
あまりにもやさぐれてきたので、
10日ほど前に食した「生しらす丼」の写真を上げておきます。
あのときは幸せそのものでした。もう二度と戻ってこない至福のとき。
もう駄目だ。
目の前が真っ暗だ。
そんな状況に陥ったら、
やっぱり銭湯に限るでしょう。
ということで、仕事が思い切り残っているのを振り切り、
自宅近くの銭湯に走る(歩いたけど)。
そこは、昭和テイストが濃厚に残る銭湯で、
男湯ののれんをくぐった先に、番台があり、
ミニサイズのTVをぼーっと眺めながら
「いらっしゃい」と言ってくれるオバチャンがいる。
470円払えば、そこから先は天国だ。桃源郷なのだ。
ふっふっふ。
お湯から出たらコーヒー牛乳かな。
おっと、いやいやここは断腸の思いで我慢。
颯爽と銭湯を出て、コンビニで麦のアレを買うか。
しばし悩みながら、熱めのお湯に
なまっちろい体をこれでもかと沈めるのでした。
この世の中で最も嬉しい言葉とは何か。
それは「増刷」です。ゾーサツ。
去年関わった本がめでたく増刷になったとの連絡が。
そういえば去年の今頃はヒイヒイ言ってたような気がする。
それだけに「ゾーサツ」の響きに恍惚としてしまうのです。
ヘタレな編集者にとっては、
ほんのたまにしか出会うことのない「ゾーサツ」。
だから、今夜は麦を発酵させて炭酸をあしらい、
琥珀色(茶色で濁っているとも言う)になったモノを
ほんの少しだけいただこうと思います。ほんの少しね。