旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

普天間移転問題と沖縄県民の真意②

2012-02-12 13:33:15 | 政治経済

 

 普天間移転問題に対する沖縄県民の真意はどこにあるのか? いくらなんでも、なだめすかされ、いやいや追い込まれ“基地たらいまし容認”が真意ではあるまい。。「寝てる子を起こした」と悔しがるが、それは「何とかしてくれ」という沖縄県民の“正気”が表面化しただけではないのか?
 一昨年11月、私は沖縄を訪ね普天間や嘉手納基地を見てきた。ある家族と一夜食事を共にし基地問題を話し合ったが、彼らの「普天間も大変だが、問題は嘉手納ですよ。これが解決しなければ沖縄の戦後は終わらない」という悲痛なつぶやきが忘れなれない。アメリカの世界戦略の中に組み込まれた基地沖縄、嘉手納返還など想像もつかないという県民の絶望感のようなものに触れて、私は同じ日本国民としていたたまれない思いがした。
 戦後一貫して要求し続けてきた「基地の県外撤去」につき、鳩山前首相が「世界一危険な普天間基地は少なくとも県外移転」と発言した時、「できるならそれだけでもすぐやってくれ」と叫んだのは当然のことで、寝てる子が起きたのではなく、本来の正気をあらわにしただけである。それが沖縄県民の本来の要求であることは、その後の各地の首長選挙を見ればわかる。県内移転を掲げる候補は誰もいない。敵味方とも県外移転は大前提の上での選挙戦になっている。
 もし鳩山が間違ったとすれば、県外移設という選挙公約を瞬く間に引っ込めたことだ。選挙の時は威勢が良かったが、いざ自分の手でやるとなると、アメリカに脅され自民はじめ各勢力に突き上げられた。そこでたちまち、「私が間違っていました」と謝り方向転換しことこそ、沖縄県民の正気を踏みにじったのではないのか? もっとも、「お母様に何十億円ももらっていて、それに気が付きませんでしたというような浮世離れした坊ちゃん政治家」に、基地の無条件返還を求める信念も度胸もないのは無理からぬことではあったが…。

 沖縄の問題としてではなく基地問題は、戦後60年を経て本来の立場に立ち返ったのではないか。はからずも本日付の毎日新聞は、「普天間県内移設は人権侵害」という国連参加NGO[反差別国際運動」の勧告申し立て記事を一面に掲げている。国外・県外移設は、沖縄県民の要求どころか世界的な関心を呼ぼうとしているのである。(つづく)


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