桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

2012-08-27 | Weblog
一昨日、福島へ行く前に、病院によって義父と会った。
この数日間に、また病状は進んだと聞いていたが、確かに弱っていて、もう余り動けなくなていた。
「参った、食べられなくなって」と言い、俺が手に触れたらば「浮腫んだかなあ」と言う。そして、また「食べられないんだ」と言って悲しげな眼をした。
俺が、涼しくなればとか、言葉を選んでいたらば、スーッ義父の右目から流れ涙が落ちた。
昨日、草刈りに行って、義母と草刈りや垣根狩りのことを話していたらば、「あんなにお喋りが、話せなくなってしまって」と、義父のことを言った。そして、横を向いた義母の目には涙が浮かんでいた。
どちらも、俺の心に刺さる辛い涙だった。

草刈り

2012-08-27 | Weblog
昨日は、連れ合いの実家に草刈に行った。
義父が元気だったときは、畑も庭も、草が伸びていたことはなかった。いつも綺麗になっていたが、このところ家の周りも畑にも草が伸びているのが気になっていた。で、昨日は草刈りに行った。
田の畔などを刈ったが、仕事でやっていた当時を思い出して楽しかった。
「草刈れば  チチロの宿を  奪いけり」
草を刈るは、もしかして季語だろうか?

松川運動

2012-08-26 | Weblog
昨日は「松川事件語り部養成講座」の定期集会に招かれて話して来た。
松川事件は、戦後に国民の革新的な行動が盛り上がった時期に、それを抑えるために占領軍のアメリカが行った謀略事件だ。
無罪になっても真相は闇の中だが、冤罪事件と違うのは、占領軍の行為だけに透けて見える実態があることだ。
松川地区の線路を壊して脱線転覆行為を行った真犯人が目撃されている。だから、地元松川では、今でも運動として松川事件が語り継がれているのだ。
布川事件も松川運動の中で積み重ねられた力を得て、長い闘いを重ねて勝利したが、昨日の集会は50名近く集まり、松川運動の力を認識させられた。

強かな女

2012-08-24 | Weblog
今日は歯医者。金具の前歯を取り替えて、やっと白い歯になった。
前歯に金物があるのは、色々と言われるよね。言われるのは慣れてはいるが、かなうならば治したいと思っていた。それが実現して、今日は、変に嬉しいような気持ちで水戸に帰る特急に乗った。
7時半。通勤客で一杯だ。窓際が取れない指定席を諦めて自由席に乗ったが、これも超満員。俺は、運良く座れたが、自由席は立っている客が一杯だ。
そこに車掌が来て、まあ特急券の確認だが、通路を挟んだ席の女性、「柏まで」と言った。
へぇ、近い柏まで乗る人もいるんだ、たかが15分も違わないのに!と思ったらば、この女性は強か!
柏は通過し、牛久を過ぎ、土浦を過ぎても座ったまま。石岡に着く前には眠り始めた。
東京に通うのだろう、荷物は通勤客の50才前後のご婦人だが、友部になって、突然、目覚めたように降りて行った。
特急券は駅で確認されないし、列車内さえ通過すれば問題はない。それを知っていて、何時も、この手口で安く利用してる常連なのだろうが、平然と眠る顔を見ながら、呆れたり、感動したりだった。
写真を撮ろうとおもったが、それはねぇ。
いやぁ、大したものだ。

ぜひ読んでください

2012-08-24 | Weblog
「有罪捏造」(海川直毅著勁草書房刊)と言う書籍がある。
いわゆる「大阪地裁所長オヤジ狩り事件」を弁護した弁護士による書籍だが、一人の虚言癖を持つ少年の「自白」から作らて行く冤罪、いや捏造事件の経過と結果の書かれたものだ。
一度、「犯人だ」と目星を付けたらば、遮二無二自白を強要し、言葉によって犯人を作って行く警察に検察。「大阪地裁所長・オヤジ狩り事件」の事実経過を通して、無惨な程に警察と検察の実態が暴かれている。同じ体験をしている俺は、ときには我がことのように感じて涙を流し、怒りを味わいがら読んだ。
この事件は、一人の少年のアリバイが証明されたことなどから無罪となったが、しかし、少年審判では有罪とされ、何度も審理が重ねられるなど、複雑な経過を辿った。アリバイがあっても無視されて有罪になることもある裁判の怪しさも含めて、正義や真実を守るべき組織の実態を知るには、最高の書籍だろう。
ただ、この本には足りない部分がある。なぜか判らないが、国賠裁判で勝ったことにも触れてはいるが、アリバイを証明されて無実になった人たちを「今でも犯人だと思っている」と、公然と国賠と語った刑事たちに付いては、何も書いていないことだ。
無実になった人たちを犯人だと主張して許さる現実こそ、捏造が許される結果となることを思えば、もっと厳しく批判すべきだったろう。
俺の書いているモノは中断しているが、再び火を点けて貰えた本だった。

オスプレイ

2012-08-24 | Weblog
垂直離着陸機のオスプレイに付いては、事故の危険性を言われて、日本配備に強い反対がある。
アメリカ本土で展示飛行をしたおり、その風に樹木は薙ぎ倒され、人は吹き飛ばされて負傷した映像が残っているが、低空飛行では、かなりの被害が予想される。それゆえにアメリカ本土では飛行が中止されているし、昨日はハワイでもダメになったと報じられていた。
しかし、日本での配備はなされ、飛行も行われる前提で飛行計画が公表されている。
先日、日本はアメリカの日本州だと書いたが、こうなるて日本州以下だね。アメリカ合衆国内ではやれない飛行訓練を日本では行おうと言うところに、日本国民を人とは見ていないアメリカの意思を感じる。そして、アメリカの言うがままになる日本の政治家や官僚たちに、激しい怒りを感じてならないねぇ。

大甘

2012-08-23 | Weblog
海水浴で女性に酒を飲ませて強姦した警察官が、処分保留で釈放されたとある。この検察の甘さ、たまらないねえ。
なんだかんだと処分保留の理由は言っているようだが、要するに警察官だからだよね。これが一般人が犯した行為ならば、まあ釈放など、絶対にされまい。懲罰的に拘束され続けることだろう。人質司法だからね、日本は。
毎日と言って良いくらいに警察官犯罪が報じられて、警察の腐敗は救い難い状態だが、こんな検察の扱いは、ますます腐敗を深化させることだろう。

国賠弁護団会議

2012-08-23 | Weblog
昨日は、弁護団会議だった。
先生方の各論を検討し、討議された。
次回の9月には、ほぼ訴状の原案が完成していることだろうが、裁判が町と待ち遠しい気持ちだ。
国賠裁判は、警察と検察の違法行為を追求する闘いだが、お金でしか償ってもらえない。そこが残念だし、納得できない思いは消えない。
どれだけの金額を「賠償」されても、受けた痛み、失ったモノは返らない。還して貰えない。しかも、素直に認める国(法務省であり、検察官出身者ばかり)と県(警察の代理人たる弁護士)ではなくて、屁理屈と言い訳ばかりを繰り返すことが目に見えているのだから闘いは、きっと困難を極める。まあ、それだからこそ、俺のやる闘いに相応しいし、遣り甲斐はあだろう。

慰安婦問題

2012-08-22 | Weblog
中国や韓国との戦後処理問題では、沢山の課題がある。
その1つに慰安婦問題があるが、今日の新聞では「証拠を出せ」と、橋下徹が会見で語ったとあった。こんなことを言って良いのかなぁ。
終戦が決まった後、官庁の庭では、数日にわたって膨大な資料が焼かれたことは、周知の事実だ。戦争行為の責任を被る恐れのある資料は、悉く焼かれたのだ。今、 「慰安婦に軍が関係した証拠はない」と主張する人たちは、この焼却で抹消されたとは思わないのだろうか。
冤罪を背負わされた者でも「無実だ」と主張し続けるは、そう容易くはないことを体験している俺には、「慰安婦にされた、日本軍に強制された」と訴え続ける人の言葉が、どんなにか大きな苦難と困難を越えてなされているだろうと判り、とても橋下のように「証拠を出せ」などとは言えないし、言えるものではなかろうと思う。
日本という国は、戦前戦後を問わす、国や官僚の責任を回避するためには、平然と証拠を隠したり、抹消したりする国だったと、本当に恥ずかしく思う。