桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

冤罪仲間

2009-04-01 | Weblog
冤罪を体験する人は、今でも沢山いるだろう。警察は昔と変わらずに、目星をつけた人を痛めつけて嘘の自白をさせることを主眼とした取り調べ方法を続けているのだから、痴漢から殺人事件まで、今も沢山の人が冤罪に苦しめられている。
でも、布川事件などのように何十年も闘うことになる冤罪体験者というのは、そう多くはないだろう。
私の冤罪仲間に対する思いは明確だ。手を携えて闘う仲間だ。だから、どんな闘いであっても、その人の望むように力を貸してあげることをモットーにしている。
東京拘置所と千葉刑務所で24年ほど、同じ釜の飯を食べた狭山事件の石川一雄さんとは、昨年のジュネーブ訪問で一緒になり、それから集会に招かれるなど、縁が深まっている。特別仲が良かった訳ではないが、何時も気になっていたし、再審請求が実現すればよいと願っていた仲間だから、出来る限りに力になりたいと思っての行動だが、これが波紋を呼んでいるらしい。
千葉刑務所に「石川さんを奪還するぞ!刑務所を解体しよう!」などど、威勢の良いデモが来ていた闘いには、かなり世間を騒がせた勇ましさがあり、私の世話になっている救援会とは敵対する関係にもなってしまっていること知っていたが、まさかクレームがつくとは思わなかった。
激しい闘い、糾弾を体験した救援会の方の気持ちが判らない訳ではない。でも、俺は冤罪の仲間に勝って欲しいだけ。それだけの思いだ。
冤罪仲間は兄弟、姉妹、家族。今後も出来る限りに力になるつもりだが、社会というのは難しいねえ。

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1 コメント

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Unknown (千恵子)
2009-04-06 21:15:38
えん罪仲間を救いたい。当然のことで行きたいところには行くべし。貫けばいいと思う。
批判は批判としてする。どんな支援者がいるかは、そこの問題だと思う。えん罪をなくす一点で連帯したいですね。暴力はお断りだけれど。
がんばれ!昌司さん
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