桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

むかしもいまも

2017-08-13 | Weblog
俺の読書歴は土浦拘置所に始まり、これまでに多くの本を読んだが、もう読んだ本の中身を忘れたものも多い。
大好きな作家、山本周五郎の作品は、総てを読んでいて、その1つに「むかしもいまも」という短編があった。
山本周五郎は短編作品が素晴らしくて、「その木戸を通って」と題する作品を思い出すと、思うたびに悲しさと切なさ、人間の哀れさに胸に響く痛みを感じるほどだ。
むかしもいまもと題する作品にも感動したはずだが、もう
中身を忘れてしまった。
むかしもいまも、今、この言葉で思うのは警察だな。
昔も今も警察は変わらない。殴って蹴って痛め付けて、自分たちが犯人と思い込んだ人を自白させ、それで一件落着なのが警察だ。江戸時代から変わらないと言っても間違いではないだろう。
万引きを疑った中学生に対する取り調べ状況が、ICレコーディングによって明らかにされたが、だからと言って、警察の、なにが変わる訳ではない。
今日も明日も、日本全国の警察では、相変わらずの取り調べが行われて、毎日のように冤罪は作られる。
平和だねえ、日本は。