桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

取材

2010-07-02 | Weblog
今日はテレビ局が利根町に取材に来た。来週の金曜日に初公判が開かれることもあり、新聞社も含めて取材熱が盛り上がって来た感じだ。
利根川堤防の中段辺りに座り、インタビューを受けているうちに、再審請求を実現するまでにあった、本当に沢山の人の善意を思い返して、自然に涙が流れてしまった。
大体、聞かれることは同じだが、初公判に対する思いが加わるようになった。でも、俺は再審開始を求める闘いに全力を尽くしたせいか、この裁判で俺のやることは終わった!みたいな気持ちになってる。

トマト

2010-07-02 | Weblog
今年も庭にトマトが生った。我が家の庭は陽当たりが悪くて、野菜を育てるには合わないのだが、トマト大好き人間の俺のためと、毎年連れ合いが植える。
トマトは連作してはダメなのだが、農家出身でも野菜など、やったことのない連れ合いは、毎年、同じ辺りに植える。
毎年、2個から3個しか生らないが、今年は、俺も肥料などをやったりしたせいか、順調に出来ている。
この庭でトマトを作るのも最後かも知れないが、果たして何個食べられることか。品種は大きいのとミニトマトの2種類で、まだミニを3個食べただけだ。

DNA鑑定

2010-07-02 | Weblog
昨日は事務局会議。事務所に来たらば、救援会の専従者が「栃木の事件で、捜査幹部のDNAが一致したんだって!」と教えてくれた。今から5年前、栃木県今市市で7才の女児が殺害されて常陸大宮で発見された事件があったが、その女児遺体周辺から複数のDNAが採取されてた。そのうち遺体から採取されたDNAが、当時の県警捜査一課長のDNA型と一致したのだと言う。
この事実が明らかになった経過も書かれた東京新聞を読んで呆れた。
よりによって捜査一課長のDNAが被害者の遺体から発見されるなんて、どうなってると思うが、それが5年前の捜査の実態だったらしい。たった5年前でも、捜査官は自分の毛髪や唾液が犯人のDNAと混合して汚染する危険があるのを理解していなかったと言うのだ。
東京新聞は、その前に布川事件でのDNA鑑定を求める検察と弁護団の対立を報道してくれたらしいが、いかに検察の鑑定請求が無謀なものかを、この栃木県警察が犯したミスは教えてくれた。
足利事件のとき、菅家さんのDNAの食い違いは、当時の警察関係者のDNAが混合汚染したのだと検察は主張し、悪あがきをしたことがあったけど、その悪あがきの結果、今市市の女児殺害事件で捜査一課長のDNAが一致するのを発見したらしい。新聞にも書かれていたが、本当に皮肉な話だね。
もちろん、嘘付きが常識の警察官、当時の捜査一課長は「そんな話は聞いていない」と否定したらしいが、「どれだけ注意を払っても、汚染は完全に防止はできない」と捜査幹部が自戒するらしいDNA鑑定。それを43年を経てやると主張する検察の異常は、例えようがない。とにかく検察は正しい、桜井と杉山は犯人だと主張したいのだろうが、狂ってるとしか言い様がないね。