桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

北九州へ

2008-05-10 | Weblog
雨の降り始めた東京を7時過ぎに発ち、西に来るほど雨量が増える中、もうすぐ小倉に着く。
今日は、冤罪仲間で勝利した引野口の事件の勝利報告集会。招かれて参加することになった。
冤罪が勝利することは容易ではない。多くの冤罪は真実が捻曲げられて有罪にされている。警察は有罪の証拠をデッチ上げるし、検察は無実の証拠を隠す。それに輪を掛けて裁判が都合のいい推定で犯人にするのだから、全く始末が悪い。
皆さんの中でガソリンを燃やした経験のある人はいますか?
関西に多いけど、自宅車庫の車からガソリンを抜き、車庫に撒いてライターで火を点けたらどうなるか判りますよね、経験者は。いや経験者では無くても想像出来るはずです。
ガソリンは気化します。その気化したガスに引火して爆発的に燃えます。土方をしていて乱暴な人は、これをやるんです。火が走るという感じで凄いものです。ところが、ガソリン7リットルを車庫に撒いてライターで火を点けたら、チョロチョロと燃えた、なんて自白が正しいと有罪になるのです。呆れるよね。
これは大阪、東住吉事件の事実です。
そんな中、引野口の事件は無実になり、控訴もさせなかった!良かったよ、ホントに。
普通の主婦を犯人にデッチ上げ、その夫君を自殺に追い込んだ警察の罪を、理不尽な起訴をして苦しめた検察の罪を、これから追及する集会にもなるだろうと思ってます。

前回の検察意見書での記述に、中年オバサンの大胆無敵とある部分、我が連れ合いよりクレームが付きました、総ての中年オバサン女性を侮蔑する!と。
ゴールデンウィーク、笠間市の陶器祭りに行った。人が沢山!トイレには行列。オバサンは平然と男子トイレにきました。男子には出来ないよね。これも大胆無敵なる業績。ゆえに書きましたが、総ての方を称えるものではないこど、申し添えます。

間もなく小倉。さて今日はどんか出会いがありますか。冤罪稼業の楽しみの一つです。

検察官最終意見書

2008-05-10 | Weblog
検察の最終意見書を詳しく読んだ。
恥ずかしくないか!
感想を言えば、その一言だね。一番強く言ってるのが、「証拠に新規性が無い」。
素人には理解し難い論法だよね。証拠に新しいも古いも無いはずなんだ。証拠が正しいか間違ってるか、裁判って、それが一番の問題のはずなのに、実体では無い法律論が中心の意見書と来ては、ただ呆れるしかないよ。
自白テープの改ざん問題は凄いよ。「録音の一時停止を指摘する以上のものではなく、中断箇所があることをもって、警察官による過酷な取り調べかあつたことを疑わせる理由とはなりようがない」だって。
正気かい?って聞きたいね、この意見書を書いた赤根智子って検事に。
調書にしろテープにしろ、犯人が言ったことを記録して、その裏付けにするもの。編集したらアウトでしょ。作る人が好き勝手に作るのを許したら、誰でも犯人にされるよ。だから、厳格に信用性が求められているはずなんだ。信用性が奪われる編集痕が大問題なのに、この検事はとぼけてか、判らずか、間抜けなことを書いてる。
再生した録音時間が短いのは、犯人にするのに都合の悪い部分を削除したから。13箇所の編集痕は、都合の悪い部分を削除したから!当然の話だよ。過酷な取り調べうんぬんなんて、この赤根検事、中年オバサンの大胆無敵な行動に似た文章を書くよね。
もちろん、再生した時間が短い件など、素知らぬ振り。検察官なんて、この程度なんだ。
きっと検察官を知らない人は、あのキムタクが演じた検察官みたいなのを連想するだろうけど、そんなのいない!小説より奇なる実態は、真実を隠し、真実を歪め、自分たちの過ちさえも認めない恥知らず集団だよ。
このテープの件では、作った捜査官、早瀬四郎と深沢武両人が口を揃えて「録音したことはありません」と証言した。赤根さんは、何と書いたか!
「取り調べ警察官らにおいて、殊更に上記録音テープを秘匿しなければならなかった理由は全くなく、確定審で意図的に言及しなかったものとは到底認められず、取り調べ警察官らが桜井の録音テープを殊更に隠したかのように決めつける決定の指摘は極めて不当である」ですと。
俺が言いたいよね、赤根さん、貴女の主張は極めて不当だよ!
社会の常識は、「録音してない」と警察官二人が証言したのに、それが存在して出て来たら、普通は偽証したと考えるよね。「意図的に言及しなかったもの」と言うよ。偽証したのは「秘匿しなければならなかった理由は全くなく」ではなくて、あったからと考えるよ。
こんな検察官の論理、アナタなら、どう考えます?
アナタも無縁じやすまされませんよ、もうすぐ裁判員制度が始まるし。