先月から走行状態が落ちた西武3000系999号。
走行を重ねるうちにスピードが上がらなくなり、パワーパックのメモリを最大にしてもモーターの回転が上がらず、7月下旬に本線上で緊急停止してしまいました。
走行関係を見ても特に変わったこともなく、少し油切れ感があったので補充し、車輪もクリーニングしてテスト線で試運転。
テストでは直ったような状態だったので、本線に戻したら1周もしないうちにノッキングが出て2周目でダウン。
もしかするとモーター不良かギヤーの目詰まりではないかと思い、完全に分解してみましたが、モーターの回転は滑らかで問題なく、ギヤーの目詰まりや歯車の欠損もありませんでしたが、組みなおすと症状は同じ。
もう一度ばらして集電板を見たら錆で板がくすんでいました。これが原因かとクリーニングをして組み立てると先ほどよりかなり改善されました。
本線で試運転すると程度は良くなったものの軽いノッキングが連続しておきます。
こうなると最後は車輪ですが、先月クリーニングしてるので奇麗なはずと思っていたら、ノッキングによるスパーク汚れで薄く焼けたような膜が出来ていました。モーターに電源を直結して回転させながら、クリーニング液で剥がしてみたら、見る見るうちに綿棒が真っ黒になっていきました。
西武車両の中でも999号は走行時間が多い車両なので、定期的に車輪のクリーニングはしていますが、落とし切れてなくだんだんと汚れの層が蓄積し、更にノッキングのスパークで焼きが入ったというのが主原因だと判明しました。
集電板の錆も除去した効果で、室内灯のちらつきもなくなり安定しましたが、今回の事例を参考にその他の走行時間が多い車両の点検もしなくてはいけないと思いました。
kimi2社長はかなり車両不調に悩まされましたね?
徹底的に分解されて原因解明されても、気付かぬスパーク汚れには苦労されましたね。
ところで軸受けや床板の集電用材質には真鍮やリン青銅が多様されて居ますが、これら表面酸化の早い銅系の材質より、洋白材の方が良いと思うのですが、KATO等は今も真鍮やリン青銅を使っています。
車輪については、どんな材質でもスパーク汚れは避けられないです、それ以外の接触金属は時間経過に依る酸化には理不尽さを感じます。
まあしかし、私は点灯不調な先頭車両の足回りを分解して軸受けや集電板を磨くのは必ずしも嫌いでは有りません。(笑)
小さい車体=重量が軽いNゲージでは全軸集電が基本ですから、レールとの接地面が非常に小さい車両においては、通電率の高い方がモーターへ電力を安定的に流しやすいと思います。
今回はクリーニングしておいた車輪でもトラブルになったわけで、スパーク汚れになる前は見た目は汚れていると思えないような状態でした。
試験線はレール面が磨かれていて通電がいいので、多少の汚れの車輪でもうまく走れたんだと思います。
実際の本線レール状態ははっきり言って綺麗ではありません。クリーニングカーでレール面の掃除はしていますが、落とし切れない箇所はかなりありますから、試験線はOKでも本線はNGという結果になり、そんなレール面を走らせたものだから、スパーク汚れに繋がり、車輪に膜が張ってしまったと思われます。
Kimi2社長主催の運転会では小一時間、スケールスピードでの連続運転を難なくこなす様子を拝見してきて、しかもそれが最新のものばかりではなく、80年代の製品でも音はやや高いものの(実は個人的にはそれがとても好ましいとさえ思っています)、やはり低速からスムースに走り続けることができているわけです。
16番の旧来の方法では、なんだかんだ接触不良やショートなどで立ち往生してしまうことは珍しいことではなかったことを思うと、全輪集電の工夫が施されたNゲージメーカーの運転に対する姿勢は立派です。
で、今回の修理の様子を拝見してそのNゲージ車両に於いてもメンテナンスの重要性を再確認することができました。尤も、Nも今や「鉄コレ」に象徴されるように、運転よりもコレクションに重きを置くファンがかなり存在するようになり、社長のように常設のレイアウトを持ち、バンバン走らせて楽しむ方ならいずれ向かい合うことになる、集電不良をはじめとしたトラブルとは無縁な方もいらっしゃるのでしょう。
いずれにしても、運転に主眼が置かれている鉄道模型なのですから、メンテナンスしやすいような構造にするなどの工夫がその発展における次の課題になるのではないでしょうか?
次男が富里にいる関係で、ちょくちょく向こうに行きますが、休憩するSAで銚子電鉄のお菓子が売っていますので毎回購入しています。
この20年でNの性能はかなりアップしたと思います。品質も組み立ても、どの製品も遜色がないというレベルになっています。
昔は当り、外れ何てことも少なからずあり、模型店で確認してから購入するのが王道でしたが、今の製品ではほぼそういった事がなくて、専門店でなくても安心して購入できます。
性能がアップしたことで、小まめなメンテナンスも少なくなり、手数をかける事から解放されてきたように感じます。
その反面少しでも不具合が出ると、もう使えない、買い替えよう、愛着がわかないなどと言った理由から、中古市場に流れているようにも見受けられます。中古販売も減点方式で値段が付いていますが、良品とされる品物でも持ち帰ってからは、点検や場合によっては部品交換が必要なものがあります。
私の在籍車両の中でも車種によって、走行距離がかなり違いますので、今回のように突然不具合が出るという事もしばしばあります。
レイアウトのメンテナンスが車両にも影響しますので、こちらもしっかりしなくてはいけないと痛感しました。
使えば修理や点検は必須ですが、我々の世代のように直しながら遊ぶと言う時代とは違って、大量消費時代に生まれた世代が多くなり、使い捨てという現象が多くなってきたのかなと感じます。