スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典佐賀記念&主体

2018-02-06 19:06:32 | 地方競馬
 第45回佐賀記念
 好発を決めたのはコウザンゴールドでしたが先手を奪いにはいかず,ハナに立ったのはコパノチャーリー。ただクリノスターオー,マイネルバサラの3頭で雁行して先行するレースになりました。4番手にキョウワカイザー。5番手にトップディーヴォとルールソヴァールと控えたコウザンゴールド、8番手以下はデリッツァリモーネ,フリビオン,キクノソル,アクロマティック,ミッキーヘネシーという順。スローペース。
 2周目の2コーナーを回ると雁行の最も外にいたマイネルバサラが単独の先頭に。この動きにコパノチャーリーとクリノスターオーはついていくことができず,2番手にはルールソヴァールが上がりました。3コーナーを回るとマイネルバサラの外にルールソヴァールが並び掛け,内から追ってきたトップディーヴォが3番手,外から追い上げてきたキクノソルが4番手に。直線に入るとマイネルバサラを楽々と抜き去ったルールソヴァールがそのまま抜け出して快勝。直線で外に出したトップディーヴォがマイネルバサラを捕まえて4馬身差で2着。マイネルバサラが1馬身4分の1差で3着。
 優勝したルールソヴァールは重賞初制覇。条件戦からじわじわと力をつけてきた馬で,昨年の11月にみやこステークスを2着になると,暮れにオープンで勝利。このレースでマイネルバサラが4着だったことから,ここは優勝候補の筆頭格でした。地方競馬に出走するのが初めてで,最内枠を引いたことは懸念材料でしたがそれも克服。というよりも適性の高さをみせたという感がありますので,今後の重賞戦線でも要注目の存在になったといえそうです。母の父はフジキセキ。2つ上の全兄に2016年のJRA賞で最優秀ダートホースに選出されている現役のサウンドトゥルー。Leur Sauveurはフランス語でかれらの救い主。
 騎乗した幸英明騎手は第25回,40回に続き5年ぶりの佐賀記念3勝目。管理している高木登調教師は佐賀記念初勝利

 現状の考察と離れるのですが,真理veritasが万人に共通であることは,スピノザの哲学における主体の排除と関係する面がありますので,これについて若干の私見を示しておきます。
 僕は真理は永遠aeterunusに属するものであるから,だれが認識しても共通するといいました。これは認識するcognoscere主体subjectumを想定した説明の仕方で,そういえば分かりやすいだろうからそのようにいうまでです。しかし実際には,だれが認識しようと同一で共通であるなら,その思惟の主体というものは存在しません。ただその観念ideaが神Deusの無限知性の一部を構成しているまでです。ゆえに真理が認識される限りでは,認識する主体が何であるのかは考慮しなくてもいいのです。他面からいえば,それをだれが認識しているのかと問うことは無意味です。それはだれが認識していようと,あるいはだれも認識していなかろうと,永遠の真理であるからです。
                                
 ところが善悪の場合はこれとは異なります。なぜなら第四部定理六八にあるように,もしすべての人間が理性ratioに従う自由の人homo liberである限りでは,善悪というのは認識され得ないものであるからです。いい換えれば僕たちは理性に従わない,他面からいえば受動的である限りにおいて善悪を認識するのです。そして第三部定理五一が示す通り,受動passioの様式は各人によってもまた同一の人物にあってもその場その場において異なり得ます。このゆえにだれがいつどのように働きを受けているかということは,現実的に意味を有し得ることになります。つまりだれが働きを受けているのかという観点においては,確かにその働きを受けている主体が何であるのかということは意味を有し得るのです。ただし,主体というのは一般的には働くagereものを意味するのであって,働きを受けるpatiものを意味するとは思われていませんから,これを主体というのはあまり相応しくはないかもしれません。
 ただ,このような意味において,受動に対する対処の仕方が,自由の人の対処であるのか,それとは反対の意味において無知の人であるのかということは問われ得るでしょう。よってこの観点から主体が自由の人であるのか無知の人であるのかを分節することは,意味があると思います。

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