スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

北条早雲杯争奪戦&形相の変化

2023-04-18 19:22:36 | 競輪
 16日の小田原記念の決勝。並びは新田‐和田の北日本,真杉‐雨谷の栃木,深谷‐郡司‐内藤‐佐々木の南関東で神田は単騎。
 雨谷がスタートを取って真杉の前受け。3番手に新田,5番手に神田,6番手に深谷で周回。残り3周のバックから深谷が上昇開始。だれも抵抗しなかったので,佐々木までの4人が前に。新田がこのラインに切り替え,神田も続いたので,引いた真杉が8番手の一列棒状に。このまま深谷がペースを緩めなかったので打鐘からホームにかけてもだれも動けませんでした。バックに入ってから新田が発進しましたが,これに先んずるように郡司も番手捲りを敢行。新田も展開を考えればよく詰め寄りましたが,内藤の牽制もあって郡司が優勝。新田が1車身半差の2着。新田マークの和田が半車身差の3着。内藤が新田を牽制したときに内にいた佐々木とやや絡んでしまい,郡司マークの内藤は8分の1車輪差の4着で佐々木が半車輪差の5着。
 優勝した神奈川の郡司浩平選手は2月の静岡記念以来の優勝で記念競輪16勝目。小田原記念は2016年,2018年,2019年と優勝していて4年ぶりの4勝目。このレースは深谷が駆けてすんなりと回った郡司が番手から発進すればほぼ勝てそうなメンバー構成。なので勝つためには南関東勢を分断するレースをする必要がありましたがそのようなレースにはなりませんでした。ですから郡司の優勝は順当といえるものでしょう。新田は中団になってしまったので飛びつきにくくなってしまったのですが,自力でいいレースをみせました。調子は上がっているのではないかと思います。

 事物の本性essentiaが変化するということは,その事物の形相formaが変化するというのと同じです。僕は現実的に存在するある物体corpusについて,この種の変化が生じないということをいいたいのではありません。おおよそ化学変化として示すことができるような変化は,この種の変化であるといえます。たとえば木は燃えることによって炭になりますが,これは木の本性を有する物体が,何らかの働きを受けるpatiことによって炭の本性を有する物体に変化したということであり,同様に,木の形相を有していた物体が,ある働きを受けることによって炭の形相を有する物体に変化したということです。
 しかしここで重要なのは,これは物体がそのように変化したということなのであって,木の本性が炭の本性になったということを意味するわけではありませんし,木の形相が炭の形相になったということを意味するわけでもないという点です。これは,もしある木が何らかの働きを受けることによって炭になるということが,木の本性が炭の本性になるということを意味するなら,木の本性を有するすべての物体がこのことによって炭の本性を有するようになる,つまり木の形相を有するすべての物体が炭という形相を有する物体になるということを意味しなければならないことになりますが,これをいうのが不条理であることはそれ自体で明らかだといえます。したがって,事物の現実的本性actualis essentiaは変化するといっても,それは力potentiaとして変化をしているのであって,現実的本性がそれ自体で変化する,たとえばAという現実的本性からBという現実的本性に変化するというようには解さない方がよいでしょう。
                                        
 國分がいっているのは現実的に存在する人間についてのことですから,木が炭になるというような変化は考慮に入れなくても構わないですし,まさかAという現実的本性を有する人間がBという現実的本性を有する別の人間になるということを國分はいおうとしているというように解する人もいないでしょう。ただ現実的に存在するAの力というのは変化するのであって,それはAという人間がこのようなA,あのようなAというように,様ざまに変化するということではあるというのも事実です。

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