スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典ダイオライト記念&因果関係の系列

2024-03-07 19:00:31 | 地方競馬
 昨晩の第69回ダイオライト記念
 発馬後の正面で先手を奪ったのはエルデュクラージュ。2番手がハギノアレグリアスで3番手にアナザートゥルース。4番手はセラフィックコールとテリオスベル。6番手にコウエイスーシェフとトーセンブルとディクテオン。2馬身差でサンマルエンパイアとロードレガリス。2馬身差の最後尾にマンガン。テリオスベルは例のように上昇していき,かなりてこずりましたが1周目の正面ではエルデュクラージュの前に出ました。2周目の向正面では2番手に引いたエルデュクラージュから3馬身差の3番手にハギノアレグリアス。さらに7馬身くらい開いてセラフィックコール。2馬身差でアナザートゥルースとディクテオンとロードレガリス。最初の1000mは61秒9のハイペース。
 2周目の3コーナー付近でエルデュクラージュは一杯。ハギノアレグリアスが2番手となり,セラフィックコール,ディクテオンという順に。直線に入るところでは2番手のハギノアレグリアスの外まで並び掛けたセラフィックコールが,直線では粘るテリオスベルを差し切って快勝。粘ったテリオスベルが4馬身差で2着。直線での伸びを欠いたハギノアレグリアスが3馬身差で3着。外から追い上げたディクテオンがアタマ差で4着。
 優勝したセラフィックコールはみやこステークス以来の勝利で重賞2勝目。みやこステークスまでデビューから5連勝。前走のチャンピオンズカップで初黒星を喫していました。レースの序盤で前から離されがちになるのが弱点ですが,交流重賞はそのようになりにくいレースなので,この馬には向いているのではないかと思っていました。これまでよりはついて回ることができましたので,その見立ては正しかったのではないでしょうか。大レースを勝てる馬だと思います。母の父がマンハッタンカフェ。祖母がハルーワソング。母の5つ上の半兄が2011年にラジオNIKKEI賞を勝ったフレールジャックで,4つ上の半兄が2014年に中日新聞杯と新潟記念を勝ったマーティンボロ。Seraphicは天使の階層のひとつ。熾天使と訳されています。
 騎乗したカザフスタン出身のバウルジャン・ムルザバエフ騎手と管理している寺島良調教師はダイオライト記念初制覇。

 前もっていっておいたように,國分は存在論的視点からの偶然の否定negatioは『エチカ』には明示されていないとしているのですが,この観点からもスピノザの哲学は偶然を否定するという点では僕と一致しています。そして,この視点からの偶然の否定を,スピノザが空虚vacuumを否定していることと関連させて説明しています。
                                        
 スピノザの哲学では,僕たちがそのすべてを十全に認識するcognoscereことはできないとしても,あらゆるものが最終的には単独の因果関係の系列で繋がりをもっているということになります。これも前に説明しておいた通りです。このとき,もしも単独の因果関係の系列で繋がっているわけではなく,因果関係の繋がりがあるとしても,それが単独ではなく複数の系列,つまりその間には何らかの空虚が認められるような複数の系列から成立しているとしたら,ある系列と別の系列,たとえば系列Aと系列Bの間に何らかの連絡が生じた場合は,そこには偶然的なもの,必然的necessariusではないという意味で偶然的なものが生じるという可能性が生じてしまうでしょう。
 僕がかつて考察した事柄でいえば,この主張は,第一部公理三がそれ自体で公理Axiomaとして成立しているか否かという点と関連します。これが公理として成立するためには,まず,Aが原因causaとなってBが結果effectusとして生じるというとき,AとBの間には必然性necessitasがあるということでなければなりません。次に仮にそれが認められるとしても,Aが原因となってBが結果として生じるというときの必然性は,Cが原因となってDが結果として生じるといわれるときの必然性と,同一の必然性であるといわれなければなりません。そして最後に,すべての因果関係には必然性があり,かつあらゆる因果関係に生じる必然性が同一の必然性であるとしても,それらが同一の必然性であることを保証する何かが必然的に存在しなければならないのです。スピノザはこれらの条件がすべて達成されているという前提で第一部公理三を公理として提示しているので,國分がいっていることも成立することになります。この場合はそこに偶然が入り込む余地が一切なくなるからです。
 僕はこれが公理として成立するとは考えていません。

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