スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

将棋日本シリーズ JTプロ公式戦&はじめてのスピノザ

2022-11-22 19:22:48 | 将棋
 20日に幕張メッセで指された第43回将棋日本シリーズの決勝。対戦成績は藤井聡太竜王が5勝,斎藤慎太郎八段が3勝。
 抽選で選ばれた観客による振駒で齋藤八段の先手。角換わりの将棋になりました。
                                        
 第1図で☗1五歩と仕掛けていったのですが,これが失着。ここは☗7九玉か☗3三桂成☖同銀としてから☗7九玉として,また駒組に戻るのがよかったようです。
 ☖1五同歩☗同香☖同香☗2四歩☖1八香成☗2七飛☖4九角☗2六飛までは仕掛けた以上は当然の進行。そこで☖2五香と打つのが好手でした。
                                        
 これは☗3三桂成☖同銀☗2五飛で取ることができるのですが☖2四銀から後手が飛車を取る展開になります。実戦は☗2三歩成としましたが,☖2六香で飛車を取った後手が優勢となりました。
 日本シリーズには封じ手があり,☗1五歩はその封じ手でした。たとえばもう少し早い段階で封じ手となっていると,休憩時間中に先手は☖2五香に気付き,☗1五歩は無理と判断できた可能性はあります。封じ手のタイミングが勝敗を分ける場合もあるという一例ともなる一局でした。
 藤井竜王が優勝。2020年度の朝日杯将棋オープン以来となる6度目の棋戦優勝。日本シリーズは初優勝となりました。

 7月13日,水曜日。この日に1冊の本を読了しました。國分功一郎の『はじめてのスピノザ』です。國分の著書については以前に『スピノザの方法』を読んだことがあり,これが2冊目になります。『スピノザの方法』が,文字通りにスピノザの哲学における方法論,とくに真理veritasを獲得するための方法論について詳しく探求したものであるのに対していえば,『はじめてのスピノザ』というのは,そのタイトルからも連想することができるように,スピノザの哲学の入門書です。ですから内容としていえば『はじめてのスピノザ』は『スピノザの方法』よりもかなり理解しやすいものとなっています。少なくとも『スピノザの方法』というのは,スピノザの哲学に対してある程度の知識をもっているということを前提としなければ理解することはできないでしょうが,『はじめてのスピノザ』はそうした知識が何らなくても読んでいくことができます。
 サブタイトルは「自由へのエチカ」となっています。このエチカは,必ずしも『エチカ』を意味するわけではなくて,もっと一般的な意味でのエチカすなわち倫理学を意味すると理解した方がいいでしょう。ただこの副題から分かるように,スピノザの哲学の入門書ではありますが,『エチカ』の入門書であるという側面が強くなっています。これまでにもスピノザの哲学の入門書というのをいくつか紹介してきましたが,この『はじめてのスピノザ』はとくに『エチカ』の入門書という色合いが濃くなっています。たとえばスピノザの哲学の入門書の中には,スピノザの人生についても詳しく説明しているものがいくつかあります。『はじめてのスピノザ』も冒頭にそうした部分が含まれていますが,とても簡潔な紹介であって,分量として多くを含むものではありません。またその部分で『エチカ』以外のスピノザの著作についての説明が含まれていますが,それも最小限といっていい程度のものです。
 2020年11月20日に講談社現代新書から発行されたものです。つまりスピノザの入門書としては新しいものです。また新書版ですから分量もさほど多くありません。読むのが大変という類のものではないので,一読を推奨します。

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