スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

明暗&利点

2009-09-15 19:12:19 | 歌・小説
 夏目漱石とドストエフスキーの関係を最も明瞭に表している小説といえば,夏目漱石の遺作にして未完の書となった『明暗』をおいてほかにはないと思います。少なくともドストエフスキーを読んでいなければ,漱石はきっとこの小説を書かなかっただろうと思います。
             
 『明暗』におけるドストエフスキーの影響というのは,ただひとつというのではなくて,いくつかの点が上げられますが,その最たるものといえば,小説の長さではないでしょうか。漱石は小説家としての後半を,朝日新聞の社員として過ごしました。このことは,漱石の小説が新聞小説として書かれたということを意味します。そのこともあって,漱石の小説というのは,ドストエフスキーの『罪と罰』とか『カラマーゾフの兄弟』のような大作に比べれば,そうも長いものではありません。ところが『明暗』は,未完で終っているにも関わらず,漱石のあらゆる小説の中で,おそらく最も長くなっています。実は処女作の『我輩は猫である』も漱石の小説の中では長い方なのですが,これは付け足されて長くなったという側面がありますので,それを考慮すれば『明暗』は漱石の小説としては異例なほどに長いということができるかと思います。
 小説の長さというのは,単に形式的なものであるかもしれません。僕もこのことを,漱石が受けたドストエフスキーの影響の最大のものと思っているわけではありません。しかしこの小説そのものの長さというのは,思われているよりは重要なことなのではないかと考えているのです。

 主食がお粥にされたことには難点もあったのですが,別にはっきりとした利点もありました。
 お粥というのは,どれくらいの水分を使って作るのかという差異によって,半粥とか七分粥,全粥などの種類があります。僕が食していたのは全粥で,これはお粥の中でも最も水分が多いものでした。
 もしも食品を同じ質量のみで計算するならば,普通に炊いたご飯と全粥ではカロリーが異なってきます。これは,水分の量がそれぞれ違うのですから当然のことでしょう。ところで,水というのはカロリーがゼロですので,同じ質量だけ食するなら,普通のご飯よりもお粥で摂取するカロリーは減ってくるわけです。いい換えれば,単に質量だけに注目するならば,全粥でご飯と同じだけのカロリーを摂取しようとする場合,ご飯よりも多くの全粥を食べなければならないということになります。おおよその比率でいいますと,ご飯50gで摂取するだけのカロリー,約80kcalを全粥で摂取しようとすれば,110gの全粥が必要になります。
 摂取カロリーというのは,増えてはいけませんが減ってもいけません。僕のようにインスリン注射をしている糖尿病患者の場合はとくにそうで,注射するインスリンの量は摂取する筈のエネルギー量に応じて決められますから,カロリーが減じてしまうとインスリンの効果が出すぎて,逆に血糖値が低くなりすぎてしまう危険があるからです。
 したがって全粥を食べていた僕は,それで摂取する栄養素,これは炭水化物ですが,それを十分な量とするために,全粥のほかに芋類やカボチャなどを食していました。つまりもしも僕と同じカロリーを普通のご飯で摂取している場合に比べると,おかずが少し多くなっていたのです。これが全粥最大の利点であったと思います。

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