スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃大井記念&第一部定理一七系二

2013-05-15 20:48:42 | 地方競馬
 南関東重賞では最も長い距離となる第58回大井記念。三村展久騎手は病気でトーセンアーチャーは内田利雄騎手に,坂井英光騎手は怪我でトーセンルーチェは本橋孝太騎手に騎手変更。
 好発はスマートインパルスでしたがすぐに控え,ビービーガザリアスが先頭も,外から追い抜いたマイネルファルケの逃げに。最初はこの2頭が後ろを離していましたが,隊列が決まるとペースが落ち,1周目の正面では差が詰まりました。クリーンとウインペンタゴンが続き,上昇していったのがフォーティファイド。テラザクラウドはその後ろになり,控えたスマートインパルス。その後ろの馬群にトーセンルーチェ。最初の1000mが65秒0という超スローペース。
 マイネルファルケは2周目の向正面で一杯。3コーナーではフォーティファイドが早くも先頭に立ち,外から追い掛けたのがテラザクラウドで最内から盛り返そうとビービーガザリアス。しかし直線ではフォーティファイドが2頭を置き去りにし,差をどんどん広げ最後は10馬身もの差をつけて圧勝。テラザクラウドの外からトーセンルーチェも伸び,2着争いは熾烈でしたが,展開の利もあった伏兵のビービーガザリアスがぎりぎりで残し,頭差の3着がテラザクラウド。トーセンルーチェはハナ差及ばず4着。
 優勝したフォーティファイドはJRA準オープンから昨年夏に転入。東京大賞典以外はいずれも3着以内で,A級戦で2勝。南関東重賞にすぐ手が届くところまで来ていましたが,ここで達成。取り口がかなり安定していますし,大きな差をつけて勝ちましたので,この路線の南関東の最強の座に就いたといえそう。重賞はまだ難しそうな気がしますが,南関東重賞は今後も勝っていくものと思います。母は2000年のNARグランプリ特別表彰馬のファストフレンド。その父は1989年のJRA賞最優秀3歳牡馬,1990年の同賞最優秀4歳牡馬のアイネスフウジン。Fortifiedは強化された。
 騎乗した御神本訓史騎手は羽田盃以来の南関東重賞制覇。大井記念は初勝利。管理している藤田輝信調教師は開業およそ3年で南関東重賞初勝利。

 第一部定理一八は,神Deusが内在的原因causa immanensであるということ,すなわち働きと作用の関係でいえば,神は働くagereものであるということを示しています。しかしこのことのうちに,第一部定理二六後半部分と,第一部定理二七に関して,それがものにとっての否定negatioや限定determinatioではないという根拠となる要素が含まれているかといえば,必ずしもそうはいえないように思います。また,「スピノザのマテリアリスム」でも,これに関して第一部定理一八が根拠となっているというようには読解することができません。
                         
 繰り返しになりますが,桜井の論文の該当箇所は,あくまでも神の原因性に関わる論考です。ですから桜井は僕が提出しているような問題には関心があるというわけではありません。よってそれに対するはっきりとした解答を与えているということもないです。ただ,桜井自身は触れてはいないものの,この論考において,もしもその根拠となるような部分を『エチカ』のうちに見出すとすれば,それは第一部定理一七系二になるように僕には思えます。それは次のような系Corollariumです。
 「第二に,ひとり神のみが自由原因であることになる」。
 冒頭で第二にといわれているのは,これが系二であるからで,それ以上の意味は何もありません。
 ここではひとつ注意しなければならないことがあります。自由原因causa liberaというのもまた,アリストテレスAristotelēsの哲学で用いられている用語のひとつです。その場合,自由原因というのは自然的原因ないしは必然的原因という用語と対語の関係にあります。このとき,自然的原因というのは,精神mensの決意decretumとは無関係に,あるいはそれには従わずに働くような,いい換えれば自然Naturaの必然性necessitasに則して働くような原因というのを意味します。これに対して自由原因というのは,精神の決意あるいは精神の判断に従って働くような原因を意味することになります。
 しかしスピノザは,この場合にはこの用語の意味に従って自由原因といっているのではありません。これは神が自由原因であるといわれていることから明白です。第一部定理三二系一にあるように,スピノザは神に意志voluntasの自由を帰してはいないからです。
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