スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ファストフレンド&自由原因

2013-05-17 19:03:04 | 名馬
 一昨日の大井記念を勝ったフォーティファイドの母,ファストフレンドは,牡馬を相手に大レースを2勝した名馬の1頭です。
 血統面は奥手のタイプで,デビューも3歳の5月。準オープンの身で挑戦した5歳4月のマリーンカップを優勝。重賞初制覇を達成し,オープン馬になりました。さらに6月にスパーキングレディーカップも制すると,7月のエンプレス杯,10月のクイーン賞と重賞3連勝。続く中央の牡馬相手のオープンも制し東京大賞典へ。しかしここはアリアーン産駒のワールドクリークに屈して2着でした。
 6歳になり,川崎記念は3着。フェブラリーステークスもウイングアローの3着。少し休んで5月の東海ステークスで重賞5勝目を上げると,帝王賞でついに大レース制覇を達成しました。そのまま休まずエンプレス杯に出走して連覇。
 秋の緒戦に選択した南部杯は4着でしたが,続く東海菊花賞で重賞7勝目。第1回のジャパンカップダートはウイングアローの5着に敗れましたが,東京大賞典ではレギュラーメンバーを2着に降して大レース2勝目。この年のNARグランプリで特別表彰馬に選出されました。
 翌年も現役を続行。しかし川崎記念はレギュラーメンバーを捕えられずに2着。フェブラリーステークスは6着と崩れました。どうやら年齢面から能力が減退していたようです。6月まで3戦したのですが,いずれも勝てず,引退となりました。
 フォーティファイドはファストフレンドの3頭目の産駒。現時点では代表馬といえるでしょう。

 第一部定理一七から第一部定理一七系二が帰結するのですから,第二部定理一七系二でスピノザが自由原因というとき,それがどのような原因であることを意味しているのかということは,もはや一目瞭然でしょう。いうまでもなくそれは,神が第一部定理一七で示されている存在であるがゆえに自由原因であるといわれるのです。すなわち,神は神自身の本性の法則,あるいは本性の必然性のみによって働くものであり,ほかのものから強制されるということがないから自由原因であるというわけです。
 アリストテレスの哲学,そしてその哲学を引き継いだものとしてのスコラ哲学においては,精神の判断に従って働く原因が自由原因といわれ,それに反して,あるいはそれに則らず,自然法則に従って働く原因は自然的原因あるいは必然的原因といわれていたわけです。これでみればスピノザが示す自由原因というのは,精神の決意に従うか従わないかを問う前に,そもそも精神の決意自体がその中に含まれていません。なおかつ,神の本性の必然性というのを,自然法則とみなす限りにおいては,むしろこの分類では自然的原因ないしは必然的原因の方に近似した概念であるといえるでしょう。とくに自由というものを意志の自由から帰結すると考えるような立場からはそのようにみられるでしょうし,一方でスピノザ自身も,神の本性の必然性と,自然の法則というのを同一のものであるとみなすような立場に立っていると僕は理解しますから,このことはなおのこと妥当するのではないかと思います。
 これでスピノザがどのような原因に関して,それを自由原因というのかということは分かりました。ただしこのことは,なぜ第一部定理一七から第一部定理一七系二が帰結するのかということを含んではいません。いい換えるなら,このことは第一部定理一七系二の論証とはなっていないといえるでしょう。何を自由原因と考えるのかということはスピノザの考え方次第ではあるかもしれませんが,なぜそれが自由原因であるといえるのかということはそれとは別の問題であるといえるからです。もちろんスピノザには,それを自由原因とみなす十分な根拠があったのです。
コメント
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