スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

関東オークス&仮説

2009-06-17 21:16:12 | 地方競馬
 3歳牝馬のダートチャンピオン決定戦となる第45回関東オークス
           
 好発はサクラミモザでしたが内からアンペアがかなり押して出てこちらの逃げ。逆に出がやや悪かったラヴェリータでしたがこちらも3番手まで押し上げて控えました。これをマークするようにモエレエターナル。隊列が決まると一気にペースが落ち,2周目の向正面からラスト800メートルのレースとなりました。
 ラヴェリータは3コーナーあたりから追い上げ前3頭が雁行状態で直線に。しかし追われるとラヴェリータが2頭を置き去りにし,あとは離す一方で最後は5馬身差の大楽勝。3頭の後ろから直線で外に出たツクシヒメがフィニッシュ直前でアンペアを差して2着。逃げ粘ったアンペアが3着。
 優勝したラヴェリータは前走は中京のオープンを勝っていて連勝で4勝目。重賞は初制覇。例年,中央のオープンで入着できればここでも勝ち負け。それをこの馬は勝っていたわけですから楽勝になったのも当然でしょう。古馬戦線が現状は手薄ですので,そちらに参入してもいきなり好勝負できるのではないでしょうか。距離はもう少し短くなった方がレースはしやすそうに見受けられます。
 鞍上は岩田康誠騎手で管理するのは松元茂樹調教師。共に関東オークス初制覇です。

 結果effectusの表象imaginatioからその原因causaを辿ろうとすることは,人間の一特質であると考えられます。しかしこのときに気を付けておかなければならないことは,これは帰納法的思考なのであるから,どのような結論がそこから得られたとしても,この思考方法だけをもってしてそれが真理veritasであるということはできないということです。いい換えれば,このような思考方法によって僕たちが得るような結論は常に仮説にとどまっている,仮説にとどまらざるを得ないということです。
 ただし,だからこのような思考方法がまったく無意味なものであるとは僕は考えていません。その理由のひとつは,これが人間の特質proprietasのひとつとして数え上げられる事柄であるということですが,もうひとつ,もっと大きな理由は,僕たちはこのような仕方で物事を考えるときに,それは仮説として考えているということ自体を十分に認識するcognoscereことができるからだということです。
 スピノザがそのようにことばとしてはっきりと分節しているわけではなく,これは僕自身のいい方になりますが,虚偽と誤謬とは異なるとスピノザは考えています。すなわち,僕たちの精神mensのうちにある虚偽falsitasがあるということが,即座に僕たちが誤謬errorを犯しているとは考えません。それどころか,第二部定理一七備考にあるように,虚偽を虚偽と知っている限り,虚偽は人間のある力potentiaでさえあり得るといっています。
 これと同様のことがこの場合にも成立すると僕は考えるのです。すなわち,それは仮説にすぎないということを知りながら考えるconcipereのであれば,帰納的思考によって物事を考えることもまた,人間にとってのひとつの力であるといい得るのではないでしょうか。 
コメント
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