国際空手道 修徳会 北海道本部 札幌道場稽古日記

北広島市輪厚地区で空手の稽古をしています。練習の内容や、イベント、雑多な情報などを画像で紹介します。

本の紹介

2008-03-10 07:02:08 | Weblog
10年以上も前であるが、中国東北部の都市の酒場で酒を飲んだ。観光客など決して来ることのない場末の酒屋だった。そこでトラブルに見舞われる。相場の10倍の支払いを求められたのだ。払えない金額ではなかったが、恫喝まがいの態度に納得できず渋っていると、奥から戦闘要員が参上し、われわれのテーブルに刃渡り30センチもあるナイフを突き立てた。香港のC級映画を見ているようで、全く現実感がなかったのは白酒が効きすぎていたためだったのか。こんなことで殉職などすれば末代までの恥になるため人民元を叩きつけてきたが、驚いたのは一週間後、東京から来た上司がトラブルの一部始終、一挙手一投足、発言までも仔細漏らさずすべて知っていたことだ。当時われわれはメディアの招待で中国に渡ったが、当然当局からは見て欲しくはない情報も多いため、24時間中国公安の尾行という監視下に置かれていたのだ。まさに辺見庸「反逆する風景」。氏は共同通信北京支局在勤中、党の機密文書の記事で国外退去処分を受けるが、その前に「シグナル」を送られる。早朝歩いていると幾十人から道を尋ねられる。それも明らかに誰もが分かるところばかり。つまりは「あなたはたくさんの公安によって監視されている。好ましからざる行為を慎まないと大変なことになりますよ」というサインなのである。佐藤優氏はこの本の中で相手の意図を的確に読み取ることが肝要だという。手始めに監視されていることを認識させるために、たとえば外出中の部屋にタバコの吸殻を灰皿に分かるように置く。これは「当局はあなたを監視しているばかりではなく、住居にも容易に入り込むことができ、盗聴も可能ですよ」というサインなのだそうだ。しかしこれで引き下がっては笑い種になるだけ。これを無視すると次のステップに移るが最終的には消されるか、もしくは二度と口の聞けない体にされる。この見極めが重要なようだ。インテリジェンスの世界で、長年このような修羅場をかいくぐってきただけに文章にも強い説得力がある。佐藤氏は恐ろしいバイタリティで怒涛の出版を続けている。読むこちらも大変。

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