選挙で敗退した政治家はただの人になる。だが内藤選手が昨日のタイトルマッチで破れた場合は、ただの人にもなれなれなかっただろうと思う。「国民の期待」に応え亀田を下したが、その後メディアへの露出度が増していくにつれ、逆にバッシングを受けることが多くなった。「テレビに出すぎじゃあないの」。「やるべきことが違うのではないか」。年齢的にも限界ではないかとも。その批判を打ち破るのは唯一ベルトを守ること。1ラウンドはやや硬さが目立ったものの、以降は足を有効に使い挑戦者に的を絞らせず、変則的なパンチでポイントを稼いだ。終盤はクリーンヒットされた場面も目についたが、ドローで二度目の防衛に成功した。チャンピオンは試合後のインタビューで「しばらくはボクシングのボの字も考えたくない」と前回と同じコメントをした。それはそうだろう。無責任な雑音と過酷な練習の中、最強の挑戦者を下したのだから。
(最終ラウンドをドローにした韓国のジャッジ。あれはないで)
(最終ラウンドをドローにした韓国のジャッジ。あれはないで)