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火力発電、日本の発電量の86%、昨年12月時点、経済産業省まとめ(学校で教えてくれない経済学)

2012-04-21 07:39:18 | 経済学
「平成23年の日本の貿易収支は2兆4,960億円の赤字となった。第2次オイルショックで石油価格が高騰、貿易赤字が続いていた昭和55年(1980)以来、31年振りの赤字である。主な要因は震災、タイの洪水による影響で輸出が減り、一方、輸入が液化天然ガス輸入増により増加したことによる。液化天然ガス輸入の背景は,福島第一原子力発電所事故を受けて、原子力発電による電力供給が減り、その不足を補うために火力発電用として液化天然ガスの需要が高まったためである」などと書いた経済産業省がまとめた124ページにわたる図解入りの詳細なレポートをインターネットに掲載していた。

平成23年の火力発電が全発電量の72.5%を占め、それは昭和50年代前半と同程度の割合である。火力発電の割合は、4月以降増加が続き、レポート作成時点の12月では、全発電量757.5億kwの86.3%に達した。水力発電は10%で横ばい、原子力発電が急激に減少した結果である。
 
火力発電用の燃料には石炭、重油、原油、液化天然ガスがある。この内、原油輸入は震災後も横ばいである。これは90%がナフサやガソリンなどに使われる精製用のためである。重油は火力発電用需要増に伴い増加を続けている。液化天然ガスは4月以降調査時点の12月まで、8月に過去最高の754万トンを記録、毎月、600万トンを超えるレベルで前年同月比で10~20%の間で一貫して増加している。

液化天然ガスはどこから輸入しているのか。長期契約と短期(スポット)分かれている。震災前後の23年4~12月を前年同期で比較すると、長期契約のカタ―ルが76%増、オマーンが62%増、スポット取引の赤道ギニアが500%増、トリニダード・ドバコ370%増と異常に増加している。一方、値段は、スポット価格では、赤道ギニアが昨年央のトン60ドルが年末では70ドルへ、長期でもカタールはトン5万円台が7万円まで値上がりしている。液化天然ガスの輸入相手国マレーシア、オ―ストラリアが多い。最近の傾向として、カタールからの輸入が増えている。その他で増加が目立つのはロシアである。ロシアからの輸入では原油も増加していると指摘していた。

20日のNY原油【WTI】相場は、ドイツIfo景況感改善、英小売り増加、ユーロの対ドル相場改善で買われ、バレル1.77ドル高、104.04ドルで取引されたと20日付けのWSJ紙電子版は報じていた。液化天然ガス相場は原油相場に過去連動して動いて動いてきた。ただ、シエ―ルガス増産の影響で、10年来の安値にある。しかし、日本による積極買いが加速すれば、マ―ケットは放置しないだろう。

日本が今後、脱原発で舵を切るのであれば、当然のことながら、液化天然ガスの輸入の依存度は高まる。昨年12月の段階で、火力発電が全発電量の86.3% に達した。目先の、大飯原発再開の議論の先にある、地に足付けた日本のエネルギー政策議論が待たれてならない。(了)

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