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スイスフランの急騰は何を物語るのか?(学校で教えてくれない経済学)

2010-12-27 11:47:59 | 経済学
「スイスフラン高は新たなリスク」と題して24日付けのWSJ紙にJavier E.David記者、AnitaGreil記者の記事が出ていた。スイスフラン相場は米FRBが6000億ドルの量的緩和政策発表後から反発、1ユーロ=1.245スイスフラン、ここ2ケ月で対ユーロで9.4%急騰した。

FRB発表後の動きとして、インフレ対策としての避難先として選ばれた商品相場、なかでも金、プラチナなどの貴金属に加えて通貨ではスイスフランもそのひとつである。米国政府がドル札を印刷し、米FRBが債券を買い上げる金融融緩和政策によって世界に資金が溢れる。その副作用に過ぎないとも指摘していた。

スイスフラン急騰で、何がリスクか?当記事によれば、スイス経済はドイツのGDPが3.4兆ドル(82円換算:約280兆円)と比べると 4,940億ドル(約40兆円)と微々たるものだ。スイスの輸出の40%がユーロ向け、全体の80%をユーロ圏から輸入している。スイスフラン相場急騰は1730億ドル(約14兆円)の輸出に打撃を与え、むしろスイスにとって不幸かもしれないと指摘していた。

現在世界経済問題のコメンテーターとして活躍しておりかってウオール街でヘッジファンドだったBruceKrasting氏は「今日、アクセプタブルな保有外貨は何ひとつない。ユーロ、ドル、ポンド、円全てが問題を抱えている。世界全体では数兆ドルが保有されているが安全な場所はどこにもない。」と話していると紹介したくだりが一番印象に残った。

一方、ニユーズウイーク誌日本版先週号では、「スイスが教える危機克服の秘訣」と題して、①スイス中央銀行が、リーマンショック直後に「問題児」大手金融機関から不良債権買い取りと同時に資本注入した,②金融機関の規制強化にリーマンショック以前から準備していた」と書き、「より早く、より厳しく」対応したスイスは間違いなく世界の手本になるだろうと、記事を書いたシュテファンタイル(ベルリン支局長)はスイスの姿勢を高く評価していた。

ところが「より早く、より厳しく」ということが、一番苦手な国民の代表が日本人であろう。「今日出来ることは明日に延ばすな」といろいろな生活の場面で諸先輩から口酸っぱく指摘されて育てられた。ところが現実は「先延ばし」されるケースが多かった。その典型が、すべて他人事、事なかれ主義の日本の政治の今の姿であろう。

私事ながら今年の年末は喪中ご挨拶のはがきが多かった。異常だった夏の暑さがこたえたのかもしれない。去年いただいた年賀状を拝見しながら命の大切さ、健康の有難さを日々しみじみと実感している。

先延ばしする結果、典型的に現れるリスクはからだの健康である。経済とからだの健康と共通点が多いと常々思っている。スイスフランは全てでないが、スイスのことにもたまには思いをはせて欲しいと思う次第である。(了)

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