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ルーブル下げ止まらす、1ドル36ルーブル(学校で教えてくれない経済学)

2009-02-05 12:51:57 | 経済学
「ロシア、ルーブル相手のタフな戦いに直面」と題して、WSJ紙(2月4日)はジョアンナ・スレーター記者とグレゴリー・L・ホワイト記者連名の記事を掲載している。
 ルーブル下落は昨年8月から始まった。わずか半年の間にロシアの外貨保有高は6,000億ドルから3,850億ドルへ減少した。特に今年に入って1月だけで100億ドル減少した。なぜか。ロシア政府がルーブル買い支えのために保有外貨で買い支えした結果である。
 ルーブルはなぜ下げるのか。ロシアの外貨収入の過半は原油および天燃ガスに依存している。ともにいまだに高値の1/3の水準に低迷している。ロシア企業は巨額資金を海外からの借入金に依存している。海外資金がロシアから逃げた。その結果ルーブルが下落した。
 ロシアはルーブル相場下落を食い止めるために1月末に為替バスケットに対してルーブル相場に下限を設けた。しかし、11年来最安値の1ドル36ルーブルまで値下がりした。
 ロシア政府は利上げしながら金融引き締めを実施し海外資金流失を食い止めようと必死である。しかし、ルーブルに対する信認はここ5年最低だとWSJ紙は書いた。
 格付け会社Fitchによれば、ロシアの2009年のGDP成長率は昨年の8%からゼロパーセントと予測している。今後さらに原油および天燃ガスの国際相場下落を続ければロシア国債はジャンクボンド並みに格下げされるだろうと見ていると紹介した。
 WSJ紙は別の記事でマチュウ・クルス記者がロシア政府は非効率なルーブル救済策を直ちに中止し、カザフスタンに右倣えすべきだと進言した。カザフスタン中央銀行は、2月4日、通貨tengeの25%切り下げを発表した。
 カザフスタンはロシアと比べれば小さな国である。しかし、原油を売って国の生計を立てているという点ではロシアと同じだ。ロシアは国が保有する外貨は減ったが家計・民間企業部門計で1000億ドル外貨が増えた。ルーブルは10%過小評価されていると書いた。
 ロシア政府がルーブル下落阻止に必死になる背景には1998年の通貨危機再来を避けたいプーチンの威信をかけた闘いがある。しかし、ルーブル買い支えのために外貨を使う。外貨が減ればルーブルの通貨価値が下がる。悪循環が止まらないとWSJ紙は指摘している。
 今朝の読売新聞にキルギスのバキエフ大統領が同国にある米軍基地閉鎖を発表したと報じている。ロシアはNATO(北大西洋条約機構)に対抗して旧ソ連7ヶ国からなるCIS(独立国家共同体)を結成しているが、その会合のあとの発表であると紹介していた。
 キルギスはタジキスタンを挟んで火中のアフガニスタンと隣接している。今回のキルギスの決定はロシアがキルギスに対する20億ドル信用供与と1億5000万ドル無償供与の見返りと記事にあった。オバマ米政権のアフガン戦略にも影響を及ぼしかねない動きである。
 日本では米ドルの話は日々新聞テレビで報道される。しかし、ルーブルの動きを眼にすることはほとんどない。ユーロの動きは最近取り上げられるようになったが英ポンドは少ない。英ポンドの値下がりは米ドルの先安の予兆だと先日WSJ紙は指摘していた。
 経済とからだの健康は類似点が多い。なぜオデキができるのか。なぜ蕁麻疹が出るのか。地球は一つである。人間のからだも一つである。ルーブルが下げ止まらないのはなぜなのか。キルギスは遠い国か。田んぼの中で草むしりばかりしていると自分を見失うだろう。(了)

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