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「ローマ法王になる日まで」(15・伊)75点

2018-01-14 12:44:49 |  (欧州・アジア他) 2010~15

・ 実話をもとに神格化せずに描かれた法王の半生記。




「マイ・マザー」(07)のダニエル・ルケッティ監督が、現・ローマ法王のフランシスコがどのような人生を送ってきたかを事実に基づき描いたヒューマン・ストーリー。主人公のホルヘ・ベルゴリオ(61~05)をロドリゴ・デ・ラ・セルナ、(05~13)をセルヒオ・エルナンデスが扮している。

ブエノスアイレスで生まれたイタリア移民2世のホルヘ・マリオ・ベルゴリオは、大学で化学を専攻していた20歳のとき、イエズス会に入会を決意する。

サッカーとタンゴを愛し友人やガールフレンドもいる普通の大学生で、神に仕えることが自分の道だと確信してのこと。

神学を学び、布教のため日本へ渡りたいと願ったが叶わず、母国での活動が認められ35歳で管区長に任命される。

前半のハイライトは管区長から神学院長へなったこの時代。ビデラ軍事独裁政権の恐怖政治による軍の圧力が強まっていった。孤児を保護するオリベイラ判事(ムリエル・サンタ・アナ)の活動や、恩師エステル((メルセデス・モラーン)の娘を助けたりする様は軍人や政治家への対応をできる限りの権限で行使する奮闘ぶりが描かれる。

自ずと限界があり、仲間の宣教師を銃殺で失ったり、恩師の活動家たちを救えず挫折感を味わう日々でもあった。
恩師はビラ配り中逮捕され、予防注射と称し睡眠薬を投与され、飛行機から海へ投げ込まれるというショッキングなシーンも。

この頃のセルナはまるで組織にあがらえない中間管理職の姿として描写されている。

等身大の人間として、必要と思えば駆け引きや恫喝で権力者と接見、言い争いをしたり、母親の小言に沈黙したりする神格化されず描かれる点に好感を持った。

その後ドイツへ留学、教会で<結びを解きて心を結ぶ>という自身の苦悩を全て聖母マリアに委ね救いを求める心からの祈りに涙する。

感動のシーンだが、クリスチャンではない筆者には隣国の大統領が慰安婦問題のコメントで心当たりがあるものの、ぴんと来なかった・・・。

最後に補佐司教になったセルナがバルセロナで貧民の立ち退き問題に触れ、青空のもと枢機卿のミサを執り行い危機を救った美談とともに、彼の回想は幕を閉じる。

数々のスキャンダルを一掃すべく初めてアメリカ大陸から選ばれた法王フランシスコは世界中のカトリック信者の頂点にいるだけでなく、監督のような無心論者にも共感を得られる存在であって欲しいと願わずにはいられない。



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