・ 老境マイケル演じたA・パチーノの独壇場。
フランシス・F・コッポラ監督シリーズ3部作の完結編。
老境両を迎えたマイケル・コルリオーネ(アル・パチーノ)は、娘・メアリー(ソフィア・コッポラ)を財団の理事長に据え慈善事業などによって得た叙勲の祝賀パーティを開いている。久しぶりに現れたのはケイ(ダイアン・キートン)。息子アンソニー(フランク・ダンブロージョ)がファミリーに入らず、歌手になるための再会だ。
製作開始までキャスティングが大もめ。とくにファミリーには欠かせないトム・ヘイゲン役だったロバート・デュバルの出演拒否、メアリー役やヴィンセント役の度重なる変更もあり、事前の苦労が偲ばれる。
脚本もアンソニーを跡目にしたシナリオが12本もあったという。本作は甥のヴィンセント(アンディ・ガルシア)が跡目を継ぎ、ヴァチカンとの関係を強調した大胆なストーリーを採用している。
シリーズ3作品中では評判が芳しくないが、前2作とは趣が違うだけで決して愚作ではない。良くも悪くもドンの人間としての苦悩を全身で演じているA・パチーノの独壇場となった。
終盤、オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の舞台進行に合わせた息もつかせぬ殺害シーンはコッポラならではの真骨頂。マイケルの号泣シーンも名シーンとして忘れがたい。