カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ
サニー・ルーニー(著)2021年9月発行
デビュー作で、英国サンデー・タイムズの「21世紀の傑作100冊」に選ばれたという
アイルランドの若手作家の小説、というので興味を持ち読んでみることに。
ダブリンの大学に通う女子学生「フランシス」の日々を、
歳上で妻帯者の俳優「ニック」との恋愛、彼の妻でジャーナリストの「メリッサ」と
の交流、そして、フランシスの親友(元恋人?)のボビーとの会話、などを
彼女の家庭環境(父親がアルコール依存症で貧しい)とボビーやメリッサ夫妻の階層
との差なども絡めつつ、各々の気持ちが、さまざまな場面でも会話の他にも、
今どきらしくメールやショートメッセージも多用し、軽快に描かれていく。
読み始めの前半部分で、これに似たような小説を読んだ記憶があるんだけど、、、
そんな気分になり思い返していると、浮かんできたのが『サガン!』
そう、「サガン」の小説に似ている感じがしたんです。
若い人の小説も読んでみようと手に取ってみたものの、
これが今の社会で、彼女達なりに懸命に生きている姿なのでしょうが、
自分が彼女達の親世代だから、やっぱり、世代間のギャップなのか、イマイチ。。。
今の社会に生きる若者のリアルな一コマとして理解しようと思うも、
どこか違和感を感じてしまう。
でも、ボビーの率直な生き方、行動、彼女との会話はとても魅力的です。
懸命に素直に生きようとする若い女性の姿に、現代の社会を背景とし、
年齢差もある人間関係が織り込まれて表現されている小説で、
一見ストレートにみえるも、なかなか巧み。
作品の評価が高く、映像化もされ、期待されている作家らしいので、縁があれば
また読むこともあるかも。
わがまま母