〈あの絵〉のまえで 原田マハ(著)2020年3月発行
母の読書コーナーでもすっかりお馴染みのキュレーター出身作家「原田マハ」氏
の短編集。
六篇の作品は、主人公となる人物とそれぞれ一枚の絵画との関わりを通じて
描かれていて、心地よく読める。
「ハッピー・バースデー」は、ゴッホの〈ドービニーの庭〉ひろしま美術館蔵
「窓辺の小鳥たち」は、ピカソの〈鳥籠〉大原美術館蔵
「檸檬」は、セザンヌの〈砂糖壺、梨とテーブルクロス〉ポーラ美術館蔵
「豊穣」は、クリムトの〈オイゲニア・プリマフェージの肖像〉豊田市美術館蔵
「聖夜」は東山魁夷〈白馬の森〉長野信濃美術館・東山魁夷館蔵
「さざなみ」はモネの〈睡蓮〉シリーズ5点、地中美術館蔵
もし、読後絵に興味が湧いたなら、六作品どれもが、国内の美術館蔵なので
誰でもいつでも鑑賞可能というところが、素晴らしい!
それぞれの短編は2018年に小説「幻冬」に掲載されていたものだが、
今年3月にまとめて出版とは、なんとタイミングの良いことか・・・
コロナ禍により当分の間、海外への渡航は難しそうなので、この機会に
国内の美術館巡りは如何でしょうか?・・・
という提案とも受け取れる短編集でした。
因みに、個人的に興味があったけど行ったことのないのは「地中美術館」。
インバウンド始まる前に機会があるといいなぁ。笑
わがまま母