遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

まち

2020年03月30日 13時00分07秒 | 読書

      まち   小野寺文宣(著)2019年11月発行

 主人公の青年「瞬一」は、9歳で宿屋を営む両親を火事で亡くし、

 18歳まで尾瀬ヶ原近くの村で祖父と暮らす。

 祖父は長年に渡り、山小屋に荷物を担いで運ぶ歩荷をしている。

 寡黙で逞しい祖父の元、自然に囲まれ瞬一は高校を卒業。

 祖父に東京に出てよその世界を知るよう勧められた瞬一は

 祖父の言葉に従い、とりあえず上京する。

 荒川沿いのアパートで引越しのアルバイトをしながら暮らすことに。

 そんな彼が少しづつだが、バイト先やアパートの住人たちと

 言葉を交わし、思いやりを持って触れ合っていくうちに、

 温かい人間関係を築き、自身も成長していく姿が、

 優しい眼差しで、ホッコリと描かれている。

 とてもあったかい気持ちになる小説でした。

 ガンで余命宣告を受けた祖父が、瞬一の将来を案じ、

 孫には何も言わずに、上京するシーンはジーンときます。

 母は、前作『ひと』(2019年本屋大賞2位のベストセラー)を

 読んでないのでわからないのですが、どうやらその続編らしいです。

 ギスギスした世の中で、読後、本当に温かい気持ちになれ、

 希望も感じられる良い作品。

    わがまま母

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