折れた竜骨 米澤穂信(著)2010年10月発行
初めて読む作家の作品です。
ミステリもホラーもほとんど読まないので、
全くどんな作家なのかも知りませんでした。
題名や簡単な本の案内で知り、なんとなく歴史小説っぽいのかな~、と
読み始めたのですが、とても面白く一気読み。
時代背景が中世の英国で、舞台はロンドンから帆船で三日ほどかかる
北海に浮かぶソロン島、ヒロインは領主の娘、主人公は放浪の騎士・・・
それだけも期待してしまう設定です。
12世紀の欧州の石造りの城砦や街並みや海や風が冷たく暗い感じが
イメージさせられ、スリリングな謎解き、異国的な魔法にワクワクし
特にミステリ好きではない者でも充分楽しめた。
賢い領主の娘「アミーナ」と跡取りで臆病な兄「アダム」。
放浪の騎士「フィッツジョン」と小さな弟子「ニコラ」。
「ファルク・フィッツジョン」と暗殺騎士となった弟「エドリック」。
それぞれの関係性が語られていくににつれ、物語に深みが増していく。
ファンタジーとミステリーが融合したような小説。
私は経験がないのですが、ファイナル・ファンタジーなどのゲームを
すすめていく感覚ってこんな感じなのかな、なんて思ったりました。
登場人物、時代背景、剣、魔術、、、いづれも良く描かれていて
猛暑のなか存分に楽しみました。
わがまま母
内容は、本の案内を転載しておきます。
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。
その領主を父に持つアミーナはある日、
放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに
出会う。ファルクはアミーナの父に、
御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、
「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、
沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年─
─そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?
魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に
辿り着くことができるのか?
現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!