2200冊目はこの本。
東賢太朗・市野澤潤平・木村周平・飯田卓『リスクの人類学 不確実な世界を生きる』(世界思想社、2014年)
この本も久々に「おもしろい!」と感じた人文・社会系の本の一冊。昨今、子どもの事故防止などで流行りの学校のリスク管理論に対して何か批判的なまなざしを向けるヒントがほしかったところなので、この本の各章で指摘されていることはたいへん参考になった。
2200冊目はこの本。
東賢太朗・市野澤潤平・木村周平・飯田卓『リスクの人類学 不確実な世界を生きる』(世界思想社、2014年)
この本も久々に「おもしろい!」と感じた人文・社会系の本の一冊。昨今、子どもの事故防止などで流行りの学校のリスク管理論に対して何か批判的なまなざしを向けるヒントがほしかったところなので、この本の各章で指摘されていることはたいへん参考になった。
2199冊目はこの本。
鈴木智之『「心の闇」と動機の語彙』(青弓社、2013年)
久々に社会学系で「まとも」な本に出会った印象。少年事件報道など1990年代~2000年代初めごろの新聞記事の検討を軸に、「心の闇」というキーワードがどのように用いられ、どのような人々の意識を駆り立てていったのかについて考察を加えている。そこで中心となっているのは、犯行動機などを理解するために私たちが使う「動機の語彙」の問題。この本の内容は、「心の闇」ということばが、私たちが手持ちの「動機の語彙」を増やして、「凶悪」な犯罪を引き起こした少年らの背景を理解しようとするのではなく、むしろその拒絶や断念、あきらめの上になりたっている・・・・という見方もできることを示している。
2198冊目はこの本。
嘉田由紀子『生活世界の環境学 琵琶湖からのメッセージ』(農文協、1995年)
もう20年前に書かれた本であり、かつてはうちの大学に勤務し、のちに滋賀県知事になった嘉田さんの本でもある。
琵琶湖の水辺で生活する人々の意識やその生活の歴史的な変遷をていねいにたどるところから、水と人との関係を問い、そこから水を中心とした環境問題へアプローチしていこうという「生活環境主義」の発想。この「生活環境主義」の発想は、実は教育や学校の問題を考える上でも大事なのではないか・・・と気づかされた。
2197冊目はこの本。
白井聡『「戦後」の墓碑銘』(金曜日、2015年)
同じ大学に勤務する政治思想・社会思想研究者の時事評論集。安倍政権に典型的に見られる対米追従外交・内政など、戦後日本政治を動かしてきた「永続敗戦レジーム」からの脱却という著者の代表的な主張のように、賛同する内容は多々ありますが、問題は「左派の立場から、それをどうやって実現するか?」ですね。
2196冊目はこの本。
成田龍一『戦後史入門』(河出文庫、2015年)
内容的にはすでに知っていることも多々ある戦後史だけど、このような形で文庫本でコンパクトにまとめていただくと、学部生などに「読め」とすすめやすくなるので、とても助かる。
2195冊目はこの本。
鈴木伸元『反骨の知将 帝国陸軍少将・小沼治夫』(平凡社新書、2015年)
精神力重視の戦術を強調したアジア太平洋戦争当時の帝国陸軍のなかに、「それではだめだ」と火力重視を主張した高級将校がいたということ。また、その高級将校の主張がなかなか受け入れられず、理解が深まった頃には敗戦間際に至っていたということ。そのことが、この本からよくわかる。
2194冊目はこの本。
上原善広『被差別のグルメ』(新潮新書、2015年)
「食文化」という面から、日本の被差別の立場にある人々の暮らしに目を向けて、各地の料理を取材した本。なかなか、面白かった。
2193冊目はこの本。
岩波明『他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑』(幻冬舎新書、2015年)
こちらの本も「ひとまず、読みました」ということで。