2189冊目はこの本。
廣木道心・斎藤富由起・守谷賢二『発達障がいのある子どもへの支援介助法―子どもに痛みを与えないパニック対処スキル』(ナカニシヤ出版、2015年)
先程の『お~い!お~ちゃん!』の著者のお父さんは、介護福祉士であり、武道家でもある方。その武道家のお父さんが、武術のわざにヒントを得る形で、パニック状態になって暴れたり、固まったりする子どもにどのように接するかについて、さまざまな介助方法(支援介助法)を検討した本。また、その支援介助法について、臨床心理学の立場から2人の研究者がコメントをしている。
特別支援学校での「体罰」問題などについて見聞きする立場にある私としては、このような支援介助法の普及というのは、学校現場にとっていま、早急に求められているのではないか・・・と思う。また、ここで紹介・検討されている支援介助法の数々は、障害のある子どもに対してだけでなく、実は「健常」と呼ばれる子どもであっても、学校でさまざまな理由によりパニックを起こす子どもとの対応に必要になるのではないか・・・とも思う。
2188冊目はこの本。
廣木佳蓮・廣木旺我『お~い!お~ちゃん! 自閉症の弟と私のハッピーデイズ』(黎明書房、2015年)
自閉症の弟のいる女子大学生の目線で、弟の過ごしてきた小学校・中学校・高校の様子や、弟と家族、地域の人々、周囲の子どもたちなどの関係について綴ったもの。地元の学校で障害のある子どもが他の地域の子どもたちと共に過ごし、共に学ぶ「インクルーシブ教育」のあり方を考える上で、とても貴重な一冊。