気づけば今日は3月2日(日)。あしたは「ひなまつり」ですね。我が家でも先月末から「おひなさま」飾っています。
さて、おかげさまで昨日(3月1日)、子どもいじめ防止学会のWEBセミナーを終えることができました。ご参加いただいた方々、準備をしていただいた学会事務局のみなさんに、この場をお借りしてお礼申し上げます。
ひとまず当日のパワーポイント資料の最初と最後の画像を、このブログ記事に添付しておきます。
拙著『新しい学校事故・事件学』から、気づけばもう8年。でも、いじめの重大事態発生後の対応の各場面で、被害者家族・遺族と学校・教育行政、さらには調査委員会などとの関係がうまくいかない場面が多々起きています。そのことでいろいろ苦労している学校・教育行政の関係者、調査委員会にかかわる研究者・専門職、そして被害者家族・遺族のそれぞれの立場から、この拙著『新しい学校事故・事件学』の内容は読み込めると思います。
また、もともとは学校での重大事故・事件を念頭において書いた本ですが、いじめの重大事態発生後の対応や子どもの自死が起きた場合の対応と、重大事故・事件や災害発生後の対応には、なにかと共通点があると私は思っています。
というのも、今から約25年前、兵庫県川西市の子どもの人権オンブズパーソンの調査相談専門員として、中学校の部活動中に起きた熱中症死亡事故の事後対応にかかわることから、私の学校事故・事件研究がはじまりました。でも、もともと川西市の子どもの人権オンブズパーソンは、1990年代半ば頃の中学生いじめ自死事件の発生を念頭において、川西市でのいじめや不登校対応、あるいは自死対応などを念頭に置いた制度です。なので、重大事故発生後の対応を、今でいういじめの重大事態対応のしくみを使ってやった以上「逆も可能」という部分がきっと、あるはずだと私は思うわけです。実際、これまで自分が調査にかかわったり、調査委員会へのアドバイスなどを行った事例を見ても、そういう結果はでていますので。
ということで、8年前に出した本ではありますが、あらためて今、この『新しい学校事故・事件学』を読んでいただければと思います。すでに出版社が店じまいをしているので、私が持っている在庫本であれば入手可能。必要な方はご連絡いただければ代金・送料と引き換えに必要冊数送りますので、画像から連絡先を確認してご一報ください。
最後に。この『新しい学校事故・事件学』の刊行時にお世話になった出版社・子どもの風出版会の編集者兼経営者の方が、つい先日亡くなられたとお聞きしました。この場をお借りして、ご冥福をお祈りします。今からちょうど5年前、新型コロナ感染症の流行が始まる頃に、体調が思わしくないから出版社を店じまいしたいという話を聴き、在庫本をひととおり私が引き取ることにした次第です。
「過激なタイトルをつけて、けばけばしい表紙にして、ある時期にブームを呼んで売れまくる本もいいが、この本は地味でも、時間をかけてゆっくりと、でも、この本の内容を必要とする人のところへ確実に届く方がいい」ということで、たとえば表紙の色なども落ち着いたものにして、タイトルも過激なものでなく、控えめなものにしました。刊行時に、そんなアドバイスをいただいた編集者兼経営者の方でした。その編集者兼経営者の方が当時語っておられたとおり、刊行から8年たった今もなお、この本の「生命力」は衰えていない…と。そんなことを実感した昨日のWEBセミナーでした。