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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今度は「多様な教育機会確保法案」に思うこと。(7) ―新しい超党派議連の法案を読んでみる(その2)―

2016-03-15 09:53:33 | 受験・学校

http://freeschoolnetwork.jp/wptest/wp-content/uploads/2016/03/20160311_joubunan.pdf

なんかこの法案、超党派議連のなかで何度も座長案が練り直されているようで・・・・。

ついこの前、3月4日に新たな座長試案が出たかと思ったら、もう先週11日に新たな案が「座長案」として、上記のPDFファイルに出ています。

ただ内容を一読した限りでいえば、この3月11日案、3月4日案と「大差ない」というのが私の実感です。

それと、この法案によって一部フリースクール関係者は「第13条で『休養の重要性』が認識された」「学校外の学習機会の必要性が位置づいている」というのかもしれませんが、私は「それはちがう」と認識しています。

むしろ、「学校外の学習機会の必要性」や「休養の重要性」を位置づける「ふり」をしながら、第12条・第13条をつなげて読むと、「学校外の学習機会で何を行っているのかや、そこでの子どもの状態を国や自治体が継続して把握し、必要におうじて「助言・情報提供」という形で、子どもと保護者に直接介入する余地をつくった。また、学校外の学習機会にかかわる子どもと保護者の状況に介入することで、間接的にフリースクール等にも影響を及ぼす余地をつくった」という風に、この法案を理解することができます。

それこそ、たとえばある学校で長期不登校にある子どもがフリースクールに通うことになったけど、そのフリースクールでも休み続けているようなケースがあって、その状況を国や自治体がつかんだとします。

そうすると、「休養が必要とはいうものの、もう十分に休み続けましたよね。そろそろ、そのフリースクールで何か具体的な活動をしてみてはいかがですか?」という助言や、「そのフリースクールの活動は、おたくのお子さんには合わないのではないでしょうか。むしろ、こちらで営まれている適応指導教室ですとか、別のフリースクールのほうが、おたくのお子さんにはふさわしいと思うのですが」という情報提供が、その子どもや保護者に行なわれるかもしれないわけです。

字面どおりこの12条・13条をつなげて読めば、そういう理解も成立します。

このようにして、フリースクールに直接は介入しないものの、そこに通う子どもと保護者に「助言・情報提供」という形で、積極的に介入する余地をつくった・・・・というのが、この法案の趣旨のようにも思われます。

「この法案が通ってしまったら、本当にフリースクールは(国や自治体から)「フリー(自由)」でいられるの?」と、3月11日案を読んで、私はあらためて思いました。


 



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